警報設備

警報設備の設置

製造所等(移動タンク貯蔵所を除く)で、 危険物の数量が指定数量の10倍以上になる場合は、 火災を感知して自動的に作動する 自動火災報知設備などの警報設備を設置しなければなりません。

※「貯蔵し又は取り扱う」のどちらか一方でも 10倍に達したら対象です。「10%(=0.1倍)」ではなく10倍なので、 桁の取り違えに注意しましょう。

まずはここだけ覚えよう!

  • 移動タンク貯蔵所は対象外だよ。
  • 指定数量の10倍以上になったら「警報設備マスト!」とセットで覚えよう。
  • 「貯蔵」か「取り扱い」どっちか片方でも10倍に届いたらアウトだと思っておこう。

警報設備区分(代表例)

警報設備は、火災などの異常をいち早く人や消防機関に知らせるための設備です。 法令上は次のように区分されます。

試験では「次のうち警報設備に該当するものはどれか」といった形で、 この代表例から選ばせる問題がよく出題されます。

  1. 自動火災報知設備(検知器と連動し、感知すると自動で警報)
  2. 消防機関へ通報できる電話(消防署などへ直接つながる直通・非常電話)
  3. 非常ベル装置(ベル音で周囲に火災を知らせる装置)
  4. 拡声装置(非常放送などで避難指示などを伝える装置)
  5. 警鐘(けいしょう)(手で鳴らす鐘などの警報用器具)

役割は「知らせる」担当です。 消火設備(第1〜第5種)のように火を「消す」設備とは役割が異なるので、 名前が似ていても混同しないようにしましょう。

設置の中心:①自動火災報知設備の対象となり得る製造所等

自動火災報知設備の設置対象になり得る製造所等は、次のような区分です。 「どんな場所に自動火災報知設備を付けるのか」という全体像をつかんでおきましょう。

  • 製造所
  • 一般取扱所
  • 屋内貯蔵所
  • 屋外タンク貯蔵所
  • 屋内タンク貯蔵所
  • 給油取扱所

ただし、これらに該当すれば必ず設置が必要になるわけではありません。 実際に設置が義務になるかどうかは、 延べ面積指定数量の倍数構造条件などの細かな基準で決まります(下の「例」を参照します)。

警報設備が必要となる製造所等の代表例

警報設備の設置が実際に必要となる代表的な製造所等は、次のとおりです。 「どんな条件を満たすと警報設備マストになるか」をイメージしながら見ておきましょう。

  • 延べ面積500㎡以上製造所・一般取扱所
  • 給油取扱所のうち、 「一方開放の屋内給油取扱所」や 「上部に上階を有する屋内給油取扱所」 等

※ 上記はあくまで代表例です。 最終的な判断は、個々の製造所等に対して定められた基準条項の内容によります。

※ なお、上記の①自動火災報知設備の対象に該当しない製造所等 (移動タンク貯蔵所・移送取扱所を除く)であっても、 指定数量の倍数が10以上となる場合には、 警報設備の②〜⑤のうち、いずれか1種類以上を設ける必要があります。 「①に該当しない+10倍以上なら、②〜⑤のどれかを必ず付ける」と押さえておきましょう。

出る出るポイント!

  • 基準は「指定数量の倍数が10以上」だよ。ここを外したら一発アウト。
  • 警報設備=知らせる/消火設備=消す。役割をごっちゃにしないで覚えておこう。
  • 自動火災報知設備は、検知器とセットで勝手に鳴るタイプの設備だと思えばOK。
  • 延べ面積500㎡以上の製造所・一般取扱所や、 特定の屋内給油取扱所は「警報設備ほぼ必須ゾーン」として押さえておこう。
  • ①に当てはまらないのに倍数10以上まで行ったら、 ②〜⑤のどれか1種類以上は必ず付けるイメージで覚えると楽だよ。

ひっかけ注意!

  • 「10%以上」「1/10以上」なんて書いてあったら全部バツ。 正解はあくまで「倍数が10以上」だよ。
  • 移動タンク貯蔵所は除外。ここまで義務があると思い込んでいるとやられるポイント。
  • 貯蔵し又は取り扱う」は、どっちか片方でも基準に届いたらアウト。 「両方そろったら」じゃないから注意だよ。
  • 消防機関に報知ができる電話」もきちんと警報設備の一種。 電話だから関係ない、と思ってスルーすると落とし穴になるよ。

作動方式と伝達手段

警報設備がどのように作動し、その警報をどのように伝えるかを整理しておきます。

1. 作動方式(2種類)

  • 自動式:検知器と連動して自動的に発報する方式です(本節の設置義務が想定する中核です)。
  • 手動式:非常押しボタンなど、人が操作して起動する方式です(自動式を補う役割です)。

用語の取り違え注意:「自動」は人の操作なしで作動する方式を指します。

2. 伝達手段(3パターン)

  • 音響:非常ベル・サイレンなどで、広く周囲に知らせます。
  • 光:フラッシュ灯などで知らせます。高騒音環境では音と併用することが望ましいです。
  • 通報:消防機関へ通報できる電話など、遠隔地に知らせる手段です。

「音だけ」「光だけ」と断定する選択肢はひっかけになりやすいので注意しましょう。

3. 適用の考え方(混同防止)

  • 知らせる経路を確保することが目的です(音・光・通報)→避難・初期対応につながります。
  • 設備は有効に知らせられる位置に配置します(死角・騒音・人の動線などを考慮します)。

設置例(代表)

警報設備の設置が必要となる代表的な製造所等は、次のような場合です。

  • 延べ面積500㎡以上製造所・一般取扱所 (自動火災報知設備の対象になりやすい規模です)。
  • 屋内給油取扱所のうち、 「一方開放の屋内給油」「上部に上階あり」などの 構造条件を満たすもの。
  • 屋内貯蔵所で、延べ面積・数量・構造などの基準を満たすもの。
  • 上記の①自動火災報知設備の対象でない場合でも、 指定数量の倍数が10以上であれば、 警報設備の②〜⑤のうちいずれか1種以上を設置します。

※ ここで挙げたのは代表例です。最終的な要否は、 各条項の細目(面積・数量・構造など)の条件で判断します。

除外・例外の注意

以下の除外・例外は、試験でよく狙われるポイントです。

  • 移動タンク貯蔵所は除外 (本節の設置義務の対象外です)。
  • 指定数量の倍数が9以下では、 原則としてこの基準による設置義務はありません。 (ただし安全配慮上、任意で設置することは妨げません)。
  • ①自動火災報知設備の対象外であっても、 倍数が10以上なら②〜⑤のいずれかを設置します。 (「自動+警報」の二段構えを忘れないようにしましょう)。
  • 屋外/屋内タンク貯蔵所は、 構造・容量などの細目によって設置要否が変わります。 代表例だけを見て一律に判断しないようにします。
  • 表現のひっかけ: 「10%(=0.1倍)」「1/10」は誤りで、 正しくは10倍です。

クイズ

警報設備として法令上の区分に含まれないものは次のうちどれか。

次は第1章39節:措置命令・許可の取消・使用停止命令に進みます。

措置命令・許可の取消・使用停止命令