保有空地の幅と必要な製造所等

保有空地とは、製造所等で火災・爆発などの災害が発生したときに、 消防活動を行いやすくし、周囲への延焼防止を図るために、 製造所等の周囲に確保しておく空地のことです。

危険物を取り扱う製造所等の周囲には、次の表の区分に応じて、 定められた幅の保有空地を確保しなければなりません。 ただし、規則で定めるところにより防火上有効な隔壁を設けた場合は、 保有空地の幅が緩和される場合があります。

保有空地の確保が必要となる製造所等は次のとおりで、 必要とされる幅は、危険物施設の種類や、貯蔵・取扱う危険物の 指定数量の倍数などによって細かく定められています。 なお、保有空地には、通行や消防活動の支障となる 物品等を置いてはなりません

まずここだけ押さえよう!

  • 保有空地=消防活動スペース+延焼防止のための「空き地」である。
  • 危険物を扱う製造所等のまわりには、区分ごとに 決められた幅の保有空地を必ず確保する。
  • 幅は、施設の種類と指定数量の倍数で決まる。
  • 保有空地には、物品を置かない。 通路や消防車の活動のじゃまになるものはNG。
  • 防火上有効な隔壁を設けた場合は、 保有空地の幅が緩和される場合がある

指定数量の倍数と保有空地の幅

製造所・一般取扱所について、貯蔵・取扱う危険物の 指定数量の倍数に応じて、確保すべき保有空地の幅を示します。

指定数量の倍数と保有空地の幅
施設区分 指定数量の倍数 保有空地の幅
製造所・一般取扱所 10以下 3m以上
製造所・一般取扱所 10を超える 5m以上

出る出るポイント

  • 製造所・一般取扱所の保有空地は「10以下→3m」「10超→5m」2パターンだけと押さえる。
  • 問題では、倍数と距離の組み合わせ入れ替えや 「4m以上」などの中途半端な数値が典型的なひっかけ。

製造所等の指定数量の倍数と保有空地の幅

施設区分ごとに、指定数量の倍数や建築構造に応じて確保すべき保有空地の幅が異なります。

製造所等の指定数量の倍数と保有空地の幅
施設区分 規定の要点・具体例
屋内
貯蔵所
指定数量の倍数および建築構造(耐火構造または不燃材料)に応じて、保有空地の幅が異なります。
  • 指定数量の倍数 5以下 → 0.5m以上
  • 指定数量の倍数 5超10以下(耐火構造) → 1m以上
  • 指定数量の倍数 5超10以下(不燃材料) → 1.5m以上
屋外タンク
貯蔵所
(指定数量の倍数:4,000以下)
指定数量の倍数に応じて、保有空地の幅が異なります。
  • 指定数量の倍数 500以下 → 3m以上
  • 指定数量の倍数 500超1,000以下 → 5m以上
屋外タンク
貯蔵所
(指定数量の倍数: 4,000超)
タンクの最大直径またはタンク高さのうち大きい方と同じ距離を保有空地とします。ただし、15m以上とします。
屋外
貯蔵所
柵の周囲に、指定数量の倍数に応じた幅の空地を確保します。
  • 指定数量の倍数 10以下 → 柵等の周囲に3m以上
屋外に設ける
簡易タンク
貯蔵所
指定数量の倍数に関係なく、タンク周囲に1m以上の空地を確保します。

出る出るポイント!

  • 本節のテーマは保有空地。 対象となるのは 製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所屋外に設ける簡易タンク貯蔵所 の6パターン。
  • 屋内貯蔵所「倍数5超10以下」のときが要チェック。 耐火構造 → 1m以上、不燃材料 → 1.5m以上とセットで覚える。
  • 屋外タンク貯蔵所は数値の山を押さえる。 倍数500以下 → 3m以上500超1,000以下 → 5m以上4,000超 → タンク径or高さと同じ距離(ただし15m以上)
  • 屋外貯蔵所10倍以下で柵の周囲3m以上屋外に設ける簡易タンク貯蔵所倍数に関係なくタンク周囲1m以上

ひっかけ注意!

  • 保有空地保安距離を入れ替えて覚えない。 「建築物からの距離」は保安距離、「製造所のまわりの空き」は保有空地
  • 簡易タンク貯蔵所は小さいから保有空地はいらない」は誤り。 屋外に設ける簡易タンク貯蔵所も、タンク周囲1m以上の保有空地が必要
  • 屋内貯蔵所の0.5m/1m/1.5mを逆にしない。 5以下 → 0.5m以上5超10以下の耐火構造 → 1m以上5超10以下の不燃材料 → 1.5m以上の順で固める。

クイズ

屋外タンク貯蔵所で指定数量の倍数が4,000を超える場合、適切な保有空地は次のうちどれか。

次は第1章22節:製造所の基準に進みます。

製造所の基準