危険物保安統括管理者とは
この節では、事業所全体の危険物保安をまとめる 「危険物保安統括管理者」について学びます。 ひとまず次の3点だけ押さえておけばOKです。
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いつ必要?
同一事業所内に複数の製造所等があり、 なおかつ第4類危険物を大量に貯蔵・取扱うときに 統括管理者が必要になる。 -
誰に届け出る?
統括管理者を選任・解任したときは、 製造所等の所有者等 → 市町村長等 (所轄消防長・消防署長等)へ届け出る。 -
誰がなる?
法律上の免状や実務経験の必須条件はないが、 事業の実施を統括管理する立場の人 (一般に工場長などの管理職)が選ばれる。
概要(くわしく)
同一事業所内で複数の製造所等を有し、 かつ第4類危険物を大量に貯蔵・取り扱う製造所等の 所有者等は、 危険物保安統括管理者を定め、 事業所における危険物の保安に関する業務を 統括して管理させなければなりません。
製造所等の所有者等は、危険物保安統括管理者を選任したとき、 または解任したときは、遅滞なく市町村長等 (所轄消防長・消防署長等)に届け出なければなりません。
危険物保安統括管理者になるための 資格要件は法律上は規定されていません。 ただし、事業所において事業の実施を統括管理する者であることが 求められるので、一般には工場長などの管理職が選任されます。
出る出るポイント
- 統括管理者が必要になる条件は 「同一事業所内で複数の製造所等+ 第4類危険物を大量に貯蔵・取扱う」のセットで押さえておく。
- 統括管理者を選任・解任したときの届出義務は、 所有者等 → 市町村長等 (所轄消防長・消防署長等)である点を整理しておく。
- 統括管理者には免状の種類や実務経験などの 法定資格要件はないが、 事業の実施を統括管理する立場(工場長など)が 選任されるのがポイント。
ひっかけ注意
- 条件は「第4類危険物を大量に貯蔵・取扱う場合」。 他の類の危険物だけでは統括管理者の選任対象外になる点に注意。
- 統括管理者には甲種+乙種などの免状要件はない。 保安監督者や施設保安員の資格要件と ゴッチャにしないようにする。
- 問題文で「複数の製造所等」の条件が こっそり抜かれていることがある。 製造所が1か所だけなら統括管理者は不要、 というパターンを意識して読む。
危険物保安統括管理者の選任を必要とする製造所等
次の製造所等では、危険物保安統括管理者を 選任しなければなりません。
危険物保安統括管理者の選任が必要な製造所等と数量要件
| 対象となる製造所等 | 貯蔵・取扱う第4類危険物の数量要件 |
|---|---|
| 製造所 | 指定数量の倍数が3,000以上 |
| 一般取扱所 | 指定数量の倍数が3,000以上 |
| 移送取扱所 | 指定数量の倍数が1以上(= 指定数量以上) |
まずここだけ押さえよう!
※「指定数量の倍数」は、実数量 ÷ 指定数量で計算します。複数品目や複数設備がある場合は、
品目ごとに(数量 ÷ 指定数量)を合算して判断します(例:第4類の異なる品目をまとめて取り扱う場合の合算)。
※ 本節は、「同一事業所で複数の製造所等を有する場合」を想定しています。
実務では、事前に所轄消防へ確認しておくと安心です。
出る出るポイント
- 統括管理者が必要になるのは製造所・一般取扱所・移送取扱所の3つ。 いずれも同一事業所内で複数の製造所等を有するケースが前提。
- 製造所・一般取扱所は 「指定数量の倍数が3,000以上」になると統括管理者が必要。
- 移送取扱所は「指定数量の倍数が1以上(= 指定数量以上)」で 統括管理者が必要 → 実質的に第4類を扱えばほぼ必ず必要になるイメージで押さえる。
ひっかけ注意
- 数量条件の「3,000倍」を「300倍」や「30倍」と 1桁ずらして出すひっかけが多い。ゼロの数までセットで覚えておく。
- 統括管理者の対象は第4類危険物を大量に扱う場合のみ。 他の類を含めた一般論とごちゃまぜにしないように注意。
- 「移送取扱所= 1倍以上で必要」は頻出。 「他と同じ3,000倍」と誤っている選択肢を、確実に見抜けるようにする。
自衛消防組織
この節では、危険物保安統括管理者の選任が必要となる規模の事業所における 自衛消防組織について学びます。
そのような事業所の所有者等は、 当該事業所に自衛消防組織を 必ず置かなければなりません。
自衛消防組織は、事業所の規模・危険物の種類や数量に応じて、 法令で定める基準以上の人員と、必要な 消防資機材 (例:化学消防自動車・泡消火設備・無線・防火衣 など)を備えて編成します。
自衛消防組織の基本構成(例)
代表的な自衛消防組織の構成例は、次のとおりです。
- 隊長(指揮):事案全体の指揮と、対外連絡の統括を行います。
- 通報・連絡班:119番通報、所轄消防・関係部署への連絡、館内放送を担当します。
- 初期消火班:初期消火・延焼防止、消火設備の操作を担当します。
- 避難誘導班:避難経路の確保、来訪者・要配慮者の誘導・点呼を担当します。
- 安全・後方支援班:危険区域の立入管理、救護・資機材補給を担当します。
日常の体制と訓練
- 編成表・連絡網の整備:当直・夜間・休日の体制も含め、常に連絡が取れる状態にしておきます。
- 計画・記録:自衛消防計画の作成・見直し、教育・訓練の実施記録を保存します。
- 定期訓練:通報・初期消火・避難誘導を含む総合訓練を定期的に実施します(昼夜・平日・休日を織り交ぜると効果的です)。
- 設備点検:消火器・屋内消火栓・泡設備・無線などの点検と補充を行います。
出る出るポイント
- 自衛消防組織は事業所単位で編成する。具体的な人員数や装備基準は、 危険物の規模や設備構成によって異なる。
- 「危険物保安統括管理者を要する事業所 ⇒ 自衛消防組織の設置義務」の流れと、 自衛消防の主な任務(通報・初期消火・避難誘導)のセットは、 試験で問われやすいポイント。
クイズ
次は第1章14節:危険物施設保安員に進みます。