設置と変更の許可

製造所や貯蔵所、取扱所などを新しく設置しようとする場合は、施設の種類(区分)に応じて市区町村などの行政機関に申請し、許可(許可書の交付)を受けなければなりません。また、すでに設置されている製造所等の位置・構造・設備を変更する場合にも、同様に許可が必要です。

※たとえば、危険物の取扱量を増やすことで保有空地の面積を広げる必要が出る場合なども、変更許可の対象となります。

許可を出す側の市区町村等は、申請された施設の位置・構造・設備が技術上の基準に適合しているか、また危険物の貯蔵や取扱いが公共の安全に支障を及ぼさないかを確認し、基準を満たしていれば許可を与えなければなりません(義務)

申請先となる「市町村長等」とは、市町村長・都道府県知事・総務大臣のいずれかであり、これは製造所などの設置される場所によって異なります。

製造所等の設置と変更の申請先

変更許可を申請するときは、変更内容を示す図面や、規則で定められた書類などを添えて提出する必要があります。

完成検査と仮使用の承認

製造所などの設置または変更の許可を受けた者は、工事が完了した際に市町村長等による完成検査を受けなければなりません。この検査で、施設が技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、使用することはできません。

ただし、位置・構造・設備の変更工事を行う場合であっても、工事の対象となっていない部分については、市町村長等の承認(仮使用承認)を受けることで、完成検査前に使用を開始することが可能です。

※この仮使用承認により、施設全体の工事が完了していなくても、安全が確保された部分から営業を継続できるようになります。

完成検査の結果、製造所等が定められた技術上の基準を満たしていると認められた場合、市町村長等は完成検査済証を交付します。

なお、変更許可申請と仮使用承認の申請は同時に行うことも可能です。

完成検査前検査

液体の危険物を貯蔵または取り扱うタンク(以下「液体危険物タンク」)を設置または変更する場合には、製造所等の完成検査を受ける前に市町村長等が実施する「完成検査前検査」を受ける必要があります。

※完成検査前検査では、工事の完了後では確認できなくなるタンクの内部構造などが対象となります。特に、塗装や配管などを取り付けてしまうと内部が見えなくなるため、その前の段階での検査が必要です。

申請から使用開始までのフロー

施設手続きフローチャート

※ 完成検査前検査で技術基準に適合していると認められた項目は、完成検査を省略できます。

過去問題に入る前に、まずはクイズに挑戦してみましょう。解答は一回限りとなります。間違えた場合は解説を読み返し、復習を行ってください。

クイズ①

移送取扱所の設置・変更を2つ以上の都道府県にまたがる地域において行う際、申請先として正しいものはどれか?

クイズ②

変更許可申請と仮使用承認申請について、正しいものはどれか?

クイズ③

完成検査前検査において正しいものはどれか?

次は「変更の届出」に進みます。

変更の届出