危険物施設保安員とは
この節では、製造所等の構造・設備の保安を担当する 「危険物施設保安員」について学びます。 ひとまず次の3点だけ押さえておけばOKです。
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どんな役割?
製造所等の構造・設備を対象に、巡視・点検や異常時の措置、 保安記録の作成・保管などを行う「設備側の保安担当」です。 -
誰が選任する?
法令で定める製造所等の所有者等が、 事業所ごとに危険物施設保安員を選任しなければなりません。 -
ほかの保安役職との違いは?
「取扱作業の保安」は危険物保安監督者、 「構造・設備の保安」は危険物施設保安員が担当する、 という分担を意識しておく。
概要(くわしく)
法令で定める製造所等の所有者等は、 危険物施設保安員を定めなければなりません。 危険物施設保安員は、製造所等の構造・設備の保安に関する業務を行います。
危険物施設保安員は、危険物保安監督者の指揮の下で、 日常の巡視・点検、異常時の措置、保安記録の作成・保管などの業務を実施します (具体的な内容は保安規程に従います)。
まずここだけ押さえよう!
学習メモ:危険物施設保安員は「選任義務のある役職」です。 危険物の取扱そのものを行う場合は、別途危険物取扱者の要件 (本人が有資格者、または有資格者の立会い)が関わる点にも注意しておきましょう。
出る出るポイント
- 「取扱作業の保安」=危険物保安監督者、 「構造・設備の保安」=危険物施設保安員という役割分担を 混同しない。
- 危険物施設保安員は危険物保安監督者の指揮の下で、 巡視・点検・異常時の措置・記録作成などを行うという位置づけを セットで覚えておく。
危険物施設保安員の選任を必要とする製造所等
次の製造所等では、危険物施設保安員を定めなければなりません。
危険物施設保安員を定めなければならない製造所等と数量要件
| 対象となる製造所等 | 貯蔵・取扱う危険物の数量等 |
|---|---|
| 製造所 | 指定数量の倍数が100以上 |
| 一般取扱所 | 指定数量の倍数が100以上 |
| 移送取扱所 | 指定数量の多少にかかわらず、すべての移送取扱所で定める |
まずはここだけ押さえよう!
※「指定数量の倍数」は、実数量 ÷ 指定数量で算定します。 複数品目がある場合は、品目ごとに(数量 ÷ 指定数量)を合算して判断します。
※ 鉱山保安法など他法令の適用を受ける製造所・移送取扱所・一般取扱所は対象外です。
出る出るポイント
- 危険物施設保安員が必要になるのは 製造所・一般取扱所・移送取扱所の3種類。
- 製造所・一般取扱所はいずれも 「指定数量の倍数が100以上」で選任が必要になる。 (保安統括管理者の「3,000倍」との違いもセットで覚えると◎)
- 移送取扱所は 数量条件に関係なくすべて選任が必要。 「移送取扱所には必ず施設保安員がいる」イメージで押さえておく。
ひっかけ注意
- 数量条件の「100倍」を 「10倍」「30倍」「300倍」などに 1ケタずらして出すパターンが多い。 ゼロの数までセットで覚えておく。
- 移送取扱所について 「指定数量の倍数が100以上で必要」と 他と同じ条件にしている選択肢は誤り。
- 鉱山保安法など他法令の適用を受ける施設は 対象外になる点も、脚注レベルのひっかけとして 意識して読んでおく。
選任・届出に関する事項
危険物施設保安員になるための法律上の資格要件は定められていません。 そのため、危険物取扱者でない者や実務未経験者であっても選任できます。 ただし、必要な教育・訓練をどのように実施するかは事業者の責任となります。
危険物施設保安員を選任・解任したときの届出義務はありません。
まずはここだけ押さえよう!
役割のイメージ(工場の場合)は、 危険物保安統括管理者=工場長/ 危険物保安監督者=課長/ 危険物施設保安員=主任と考えると整理しやすいです。 実務では事業所の規模や組織によって役職名が変わることがあります。
出る出るポイント
- 数量基準は 製造所・一般取扱所=指定数量の100倍以上、 移送取扱所=数量に関係なくすべて のセットで押さえておく。
- 危険物施設保安員には法律上の資格要件がないのが特徴。 誰を選任するか、教育・訓練をどう行うかは 事業者の判断と責任になる。
- 選任・解任しても届出義務はない点をしっかり覚える (危険物保安統括管理者と対比しておくと忘れにくい)。
ひっかけ注意
- 「100倍以上」と 「3,000倍以上」(危険物保安統括管理者)、 「30倍を超える」(屋外貯蔵所の保安監督者)など、 倍数だけを入れ替えたひっかけがよく出る。
- 「危険物施設保安員も危険物取扱者の資格が必要」 「選任・解任の届出が必要」などの記述は、 ほかの役職のルールを混ぜた誤りと判断する。
- 移送取扱所について 「指定数量の100倍以上のみ」と書かれていたら誤り。 移送取扱所は数量に関係なくすべてが対象である点を確認する。
危険物施設保安員の業務
製造所等の所有者等は、危険物施設保安員に次の業務を 行わせなければなりません。
- 定期・臨時の点検: 製造所等の構造・設備が技術上の基準に適合しているか確認する。
- 記録・保存: 点検箇所の状況と保安のために講じた措置を記録し、 所定の期間保存する。
- 異常時の連絡・措置: 構造・設備に異常を発見した場合は、 危険物保安監督者など関係者に速やかに連絡し、 状況に応じて必要な措置を講じる。
- 火災時の応急措置: 火災が発生したとき、または 火災の危険が著しいときは、 危険物保安監督者と協力して 通報・初期消火・遮断・避難誘導などの 応急措置を行う。
- 日常の保安管理: 計測装置・制御装置・安全装置などの機能が適正に保たれるよう、 日常の点検・調整・必要な補修を行う。
- その他の保安業務: 構造・設備の保安に関して必要な業務を行う。
出る出るポイント!
危険物施設保安員の業務は「構造・設備の保安」が中心です。 キーワードは点検 → 記録・保存 → 異常時の連絡 → 応急措置の流れ。
とくに誰に連絡するか(危険物保安監督者)と、 何を保存するか(点検結果と講じた措置)をセットで押さえておくと、 選択肢の言い換え問題に強くなります。
クイズ
次は第1章15節:予防規定に進みます。