共通の基準【1】

すべてに共通する基準

  1. 許可・届出の品名以外を扱わない。 製造所等で、許可または届出に係る品名以外の危険物を貯蔵・取扱いしないこと。
  2. 指定数量超過をしない。 許可または届出に係る数量(指定数量)を超える危険物を貯蔵・取扱いしないこと。
  3. みだりに火気を使用しない。 ※「みだりに」=正当な理由なく、の意。
  4. 係員以外の立入を制限する。 製造所等には係員以外をみだりに出入りさせないこと。
  5. 常時の整理・清掃。 常に整理および清掃を行い、空箱など不必要物を置かないこと。
  6. 貯留設備・油分離装置の危険物を随時くみ上げる。 たまった危険物はあふれないよう随時くみ上げること。
  7. くず・かす等の処理。 危険物のくず・かす等は1日1回以上、性状に応じて安全な場所で廃棄等の適切処理を行うこと。
  8. 遮光・換気の確保。 建築物・設備は危険物の性状に応じて遮光または換気を行うこと。
  9. 計器監視と条件維持。 温度計・湿度計・圧力計等を監視し、性状に応じた適正な温度・湿度・圧力を保つこと。
  10. 変質・異物混入の防止。 貯蔵・取扱いに際し、変質又は異物混入で危険性が増大しないよう必要措置を講ずること。
  11. 残存危険物の除去後に修理。 危険物が残存し又は残存のおそれがある設備等を修理する場合は、安全な場所で完全に除去してから行うこと。
  12. 適合容器の使用。 容器は当該危険物の性質に適合し、かつ破損・腐食・裂け目のないものを用いること。
  13. 粗暴な取扱いの禁止。 収納容器は、みだりに転倒・落下・衝撃・引きずり等の粗暴な取扱いをしないこと。
  14. 着火源対策(漏えい・滞留おそれ箇所)。 可燃性液体・蒸気・ガスの漏えい又は滞留のおそれがある場所では、電線と電気器具を確実に接続し、 火花を発する機械器具・工具・履物等を使用しないこと。
  15. 保護液中での保存。 危険物を保護液中に保存する場合は、危険物が保護液から露出しないようにすること。

頻出ポイント/ひっかけ注意

  • 「みだりに」=正当な理由なし、の意。単なる「原則禁止」ではない点に注意。
  • 修理前の除去完全除去安全な場所が必須。どちらか欠けると×。

類ごとの共通基準

物質区分 技術上の基準(要点)
第1類 共通
  • 可燃物との接触・混合を回避
  • 分解を促進する物質との接触回避
  • 過熱・衝撃・摩擦を避ける
アルカリ金属の過酸化物
  • 水との接触を避ける(禁水)
第2類 共通
  • 酸化剤との接触・混合を回避
  • 炎・火花・高温体との接近回避
  • 過熱を避ける
鉄粉・金属粉・マグネシウム
  • または酸との接触を回避
引火性固体
  • みだりに蒸気を発生させない
  • 着火源の管理・換気
第3類 自然発火性物質
  • 炎・火花・高温体との接近回避
  • 過熱を避ける
  • 空気との接触を極力回避
禁水性物質
  • 水との接触を避ける(禁水)
第4類 共通
  • 炎・火花・高温体との接近回避
  • 過熱を避ける/温度管理
  • 蒸気の不必要な発生を抑制(換気・密閉)
第5類 共通
  • 過熱・衝撃・摩擦を避ける
  • 汚染(前処理薬品・金属粉等)を避ける
第6類 共通
  • 可燃物・還元性物質との接触・混合を回避
  • 分解を促す触媒物質との接触回避
  • 過熱を避ける

頻出ポイント/ひっかけ注意

  • 禁水の混同:第1類の「アルカリ金属の過酸化物」も禁水。第3類<禁水性物質>と分類が違う点に注意。
  • 第2類の例外群:「鉄粉・金属粉・Mg」は水/酸と接触回避。一方「引火性固体」は蒸気のみだりな発生を抑えるが本筋。
  • 第3類の対象:自然発火性=空気との接触回避/禁水性=水との接触回避。空気と水を取り違えない。
  • 第4類のキモ:温度管理+蒸気管理(換気・密閉)。遮光は一般論で出るが、第4類の専用対策と混同しやすい。
  • 第5類の三点セット過熱・衝撃・摩擦を避ける+汚染(触媒・金属粉等)回避。酸化剤回避は第2類/第6類側。
  • 第6類の誤解:酸化性液体=禁水ではない。落とし穴は可燃物・還元剤との混合禁止の方。

クイズ

第1類のうち「アルカリ金属の過酸化物」の取扱基準として 最も適切なものは次のうちどれか。

次は第1章35節:共通の基準【2】に進みます。

共通の基準【2】