共通の基準【2】

共通の基準【2】では、危険物の貯蔵方法同時に貯蔵してよい組み合わせに関する技術上の基準を扱います。 危険物以外の物品や、類の異なる危険物を同じ場所に置けるのは、 原則として不可で、例外的に条件がそろった場合だけOKになります。 ここでは「ふつうはダメ/この条件ならOK」という線引きを整理しておきましょう。

まずはここだけ押さえよう!

  • 原則:危険物は単独で貯蔵…他の物品や別の類の危険物と一緒に置くのは基本NG。
  • 例外は「条件がそろったときだけ」…区画・離隔・容器などで混触せず、危険性が増えない場合に限り同時貯蔵OK。
  • キーワードは「危険性が著しく増大しないこと」…一緒に置くことで火災・爆発がひどくなりそうならアウト。
  • 試験では「原則NG+一定の基準を満たす場合に限り例外OK」という言い回しが出たらマル候補としてチェック。

貯蔵の基準

危険物の貯蔵場所では、まず危険物だけを置くのが基本です。 周囲に不要な物品があると、発火や延焼拡大のきっかけになりやすく、 事故の被害も大きくなります。このため、 原則として危険物以外の物品を貯蔵してはなりません

ただし、次に示すような場合には、例外として危険物と同時に貯蔵することが認められます。

同時に貯蔵できる場合

ここでは、例外として同時に貯蔵してよいケースを整理しておきましょう。

  1. 屋内貯蔵所または屋外貯蔵所では、 危険物と危険物以外の物品をそれぞれまとめて貯蔵し、 両者のあいだに相互1m以上の間隔を確保している場合は、 同時に貯蔵することができます。
  2. 屋外タンク貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所では、 危険物と危険物以外の物品を、それぞれの区画ごとに分けて貯蔵している場合は、 同時に貯蔵することができます。

※ 危険物以外の物品の具体的な種類は、ここでは省略します。

また、法別表第1に掲げる類が異なる危険物どうしは、 原則として同一の貯蔵所(耐火構造の隔壁で完全に区分された室が2以上ある場合は、 同一の室内)で一緒に貯蔵してはなりません

ただし、屋内貯蔵所または屋外貯蔵所において、 次のとおり類別ごとに危険物を取りまとめ、 それぞれのあいだに相互1m以上の間隔を確保している場合は、 類の異なる危険物であっても同時に貯蔵することができます。

同時に貯蔵できる類

法別表第1に掲げる類が異なる危険物どうしは、 原則として同一の貯蔵所に混載しません

ただし、一定の条件を満たす場合に限り、 例外的に同時に貯蔵してよい組み合わせが認められています。 試験ではこの「原則NG+条件付きで例外OK」の整理が頻出テーマです。

下の表は「どの類を基準にして、 どの相手となら同時貯蔵OKかをまとめたもの」です。 基準となる類+相手+条件をセットで暗記しておきましょう。

まずはここだけ押さえよう!

  • 原則:類が異なる危険物どうしは同じ貯蔵所に混載しない
  • 例外:屋内貯蔵所・屋外貯蔵所などで、類別ごとにまとめて1m以上の間隔を取るなど、決められた条件を満たしたときだけ同時貯蔵OK。
  • 表の左列は「基準となる類」、右列は「同時に貯蔵できる相手+条件」という役割で見る。
  • 覚え方は、「基準となる類 → 相手 → 条件」3点セットで一気に暗記する。

ひっかけ注意!

  • 選択肢で「原則混載してよい」と書かれていたらNG。 正しいのは「原則混載しない/条件を満たした場合のみ混載可」
  • 1m以上の間隔を「2m」「3m」など別の数字にすり替えるひっかけに注意。 数字が変わっていたら要チェック。
  • 表の内容を逆向きに聞く問題(「第○類を基準にしたとき、同時貯蔵できる相手は?」など)がよく出る。 基準の側と相手の側を取り違えないこと。
  • 「条件なしで同時貯蔵できる」「複数の類をまとめて一括で同時貯蔵できる」 といった条件を書き落とした選択肢も定番の×パターン。

類ごとの共通基準

類ごとの共通基準
基準となる類 同時に貯蔵できる相手(条件付きを含む)
第1類 第5類(有機過酸化物)
※ただしアルカリ金属の過酸化物等は除く
第1類 第6類(酸化性液体)
第2類 第3類(自然発火性物品)のうち 黄りん(およびその含有品のみ)
第2類 第4類のうち アルキルアルミニウム又はアルキルリチウムを含有するもの
第4類 第4類(有機過酸化物とその含有品)と 第5類(有機過酸化物とその含有品)
第4類 第5類のうち 1-アリルオキシ-2,3-エポキシプロパン(アリルグリシジルエーテル) 又は 4-メチリデンオキセタン-2-オン (いずれかの含有品を含む)

おっとNG!

上記はいずれも、 屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所で、類別ごとに取りまとめ、 相互に1m以上の間隔を確保していることが前提です。
この3条件がそろって初めて「例外OK」。それ以外は 原則どおり同時貯蔵NGと押さえておきましょう。

同時貯蔵・貯蔵方法のポイント

同時に貯蔵するときの基本ルールは次のとおりです。

  • 水中保存物品禁水性物品は、同一の貯蔵所に一緒に置きません。

特に第3類では、 黄りん等(水中保存する物品)禁水性物品を 同じ貯蔵所で保管すると、水との接触禁止のルールと矛盾して危険性が高まります。 そのため、これらは別々の貯蔵所で管理すると押さえておきましょう。

屋内で多量に貯蔵するときは「区分&離隔」

屋内貯蔵所で、同一品名の危険物のうち 自然発火のおそれ又は 災害が著しく増大するおそれのあるものを多量に貯蔵する場合は、 次のように整理して貯蔵します。

  • 指定数量の10倍以下ごとに区分して区画を分ける。
  • 各区分の間は0.3 m以上離して貯蔵する。

「多くなったら10倍ごとに区切る+0.3 m離す」とセットで暗記しておきましょう。

容器の積み重ね高さの上限

容器を積み重ねて貯蔵できる高さの上限は、容器の種類や条件によって決まっています。 単なる数字ではなく、「どんな容器なら何mまでOKか」をセットで覚えておきましょう。

容器の積み重ね高さの上限
対象 上限高さ 備考
一般
(蓄電器による貯蔵を除く)
3 m 屋内・屋外いずれも
第4類の第3石油類/
第4石油類/
動植物油類
のみ
4 m 当該類の容器だけを積み重ねる場合
機械荷役対応の
容器のみ
6 m フォークリフト等で機械荷役する構造の容器のみ
屋外貯蔵所の
架台による貯蔵
6 m 架台(ラック)の高さの上限

出る出るポイント!

  • 高さの並びは「3 → 4 → 6 → 6」。数字の流れでまず暗記。
  • 4m OK第3石油類・第4石油類・動植物油類だけを積むときだけ。
  • 6m OK機械荷役対応容器のみ屋外貯蔵所の架台の2パターン。
  • 一般容器は3mまで(蓄電器を除く)。電池関係は別枠で注意しておく。

補足:電池関連の注記

リチウムイオン蓄電池の電解液は、一般に第4類第2石油類に該当します。 一定数量以上を取り扱う場合は、危険物規制の対象となる点に注意しましょう。

容器収納が原則(例外:塊状硫黄等の屋内例外)

屋内・屋外の貯蔵は、原則として基準に適合する容器に収納して行います。 ただし、屋内貯蔵所で塊状の硫黄等(硫黄または硫黄含有品)を貯蔵する場合は、 この限りではありません。

屋内の容器は55℃を超えないよう管理

屋内貯蔵所では、容器収納して貯蔵する危険物の温度が 55 ℃を超えないように必要な措置を講じます。

計量口・元弁・注入口の弁は「作業時以外は閉鎖」

屋外・屋内・地下の各貯蔵タンク計量口は、 計量時以外は閉鎖します。
また、これらタンクの元弁(タンク直近の弁)及び 注入口の弁・ふたは、危険物の出入時以外は閉鎖します。

防油堤の水抜口は通常閉鎖

屋外貯蔵タンク周囲の防油堤に設ける水抜口は通常閉鎖します。 堤内に滞油・滞水が生じたときは、遅滞なく排出します。

屋外での塊状硫黄等は囲い+シートで飛散防止

屋外貯蔵所では、塊状の硫黄等囲いの高さ以下で貯蔵し、 あふれ・飛散を防ぐために囲いを設け、 全体を難燃性または不燃性シートで覆い、シートを囲いに確実に固定します。

出る出るポイント!

  • 類が異なる危険物は原則同一貯蔵所でNG。 ただし屋内/屋外で類別ごとに取りまとめ、 1 m以上の離隔を取れば同時貯蔵可。
  • 第3類の黄りん(水中保存)禁水性物品は、 同一貯蔵所で貯蔵不可(取り違え注意)。
  • 屋内で多量に貯蔵する場合は、同一品名ごとに 指定数量10倍以下ごと区分し、 区分間を0.3 m以上離す。
  • 積み重ね高さの目安: 通常3 m、 第4類〈第3・第4石油類+動植物油類のみ〉は4 m、 機械荷役容器と屋外架台は6 mまで。
  • 容器収納が原則。屋内では基準適合容器に収納し、 例外は塊状の硫黄等。 屋外では囲いと難燃・不燃シートで飛散防止。
  • 屋内貯蔵所では、容器収納した危険物の温度が 55 ℃を超えないよう管理する。
  • 貯蔵タンクの計量口は計量時以外閉鎖。 元弁注入口の弁・ふたも出入時以外閉鎖。
  • 防油堤の水抜口は通常閉鎖。 堤内の滞油・滞水は遅滞なく排出する。

取扱いの基準

取扱いの基準
取扱い 技術上の基準
製造
  1. 蒸留工程では、設備内圧の変動等により液体・蒸気・ガスが漏れないようにします。
  2. 抽出工程では、抽出缶の内圧が異常に上昇しないようにします。
  3. 乾燥工程では、危険物の温度が局部的に上昇しない方法で加熱または乾燥します。
  4. 粉砕工程では、危険物の粉末が著しく浮遊している状態や、粉末が機械器具等に著しく付着している状態で、当該機械器具等を取り扱わないようにします。
詰替
  1. 危険物を容器に詰め替える場合は、総務省令の定めに従って収納します。
  2. 詰替作業は、防火上安全な場所で行います。
消費
  1. 吹付塗装は、防火上有効な隔壁等で区画された安全な場所で行います。
  2. 焼入れは、危険物が危険な温度に達しないようにして行います。
  3. 染色・洗浄は、可燃性蒸気の換気を十分に確保し、廃液はみだりに放置せず安全に処置します。
  4. バーナーを使用する場合は、逆火を防止し、危険物があふれないようにします。
    ※ 逆火(ぎゃっか)は、燃焼速度と噴出速度の関係により炎がバーナー側へ戻る現象です。
廃棄
  1. 焼却する場合は、安全な場所で、かつ燃焼・爆発により他に危害・損害を及ぼさない方法で行い、見張人を付けます。
  2. 埋没する場合は、危険物の性質に応じて安全な場所で行います。
  3. 危険物を海中又は水中に流出・投下しません。

出る出るポイント!

  • 蒸留・抽出:内圧管理のキーワードは漏れない異常上昇させない。語尾が「〜してはならない」でも意味は同じ。
  • 乾燥・加熱:押さえるのは局部過熱の防止。装置名より「局部的に上昇させない」を拾う。
  • 粉砕工程:粉末の浮遊・付着が著しいときは機械を扱わない(「扱う」は×)。
  • 詰替:総務省令に従って収納防火上安全な場所。場所条件の抜けに注意。
  • 消費(バーナー):逆火防止あふれ防止のセット。問題文の「あふれやすいように」は完全に×。
  • 廃棄:焼却は見張人付きで安全な方法なら可。海中・水中への流出・投下は絶対に不可。

クイズ

同時に貯蔵できる危険物の組み合わせとして、適切なものは次のうちどれか。

次は第1章36節:運搬の基準に進みます。

運搬の基準