構造・設備

屋内貯蔵所は、使い方や建物の造りによっていくつかのタイプに分かれる。タイプごとに、「どこに設けるか(位置)」「どんな造りにするか(構造)」「どの危険物をどれだけ置けるか(設備・取扱範囲)」がセットで決められている。

下の表では、代表的な屋内貯蔵所ごとに、建物側の条件と、取り扱える危険物の種類・量の上限をまとめている。現場の屋内貯蔵所がどのタイプに当てはまるかをイメージしながら確認していく。

まずはここだけ押さえよう!

  • 屋内貯蔵所は「建物の中」に危険物をまとめて置く専用スペース。
  • ポイントはいつも「位置・構造・設備(取扱範囲)」の3点セットで見る。
  • 屋外貯蔵所が「建物との距離・空地の幅」がメインなのに対して、屋内貯蔵所は「建物の中でどの部屋に、どんな造りで、どれだけ置くか」がメインテーマ。
  • 表は、「どのタイプの屋内貯蔵所か」+「指定数量の何倍か」で読むのがコツ。

出る出るポイント!

  • 屋内貯蔵所の問題は、「指定数量の倍数」で区分される表からの出題が多い(何倍までOKか、どのタイプに当てはまるかをチェック)。
  • 位置の基準:避難に支障が出ない場所か、火気使用室や階段室と変なつながり方をしていないか、がよく聞かれる。
  • 構造の基準:壁・柱・床は原則耐火構造、出入口や開口部には防火設備という組み合わせが定番パターン。
  • 設備・取扱範囲:「どの危険物を」「指定数量の何倍まで」置けるかを、表の行(タイプ)×列(倍数)で読む問題が出やすい。
  • 同じ「貯蔵所の基準」でも、屋外=周囲との距離屋内=建物内での区画・構造・数量を聞いてくる、と整理しておくと混ざりにくい。

ひっかけ注意!

  • 「屋内ならどの階でもOK」という選択肢は要注意。地階付近や、人が多く出入りする部分と安易に隣接させる文章はだいたい×。
  • 「居室や階段室を通らないと出入りできない」屋内貯蔵所の記述も×パターンの定番。
  • 通路や出入口付近に危険物を置いてよい、と読める文章はほぼ誤り。避難経路をふさぐような配置はNG。
  • 火気使用室やボイラー室と直接つながっているような書き方も×。「防火区画で区切る」「専用室にする」などのキーワードがあるかチェック。

貯蔵倉庫の形態の違い

屋内貯蔵所の区分ごとの構造・建築物・取り扱い可能範囲
屋内貯蔵所の種類建築物取り扱いできる危険物の種類と数量、保安距離等
独立専用の
屋内貯蔵所
(平家建)
  • 床面積:1,000㎡以下
  • 軒高6m以上のものは高層タイプ
  • すべての危険物(高層のものは第2類または第4類のみ)
  • 数量制限なし(一部除く)
  • 保安距離・保有空地:
独立専用の
屋内貯蔵所
(平家建以外)
  • 各階の床面積の合計:1,000㎡以下
  • 第2類または第4類(引火性固体および引火点70℃未満は除く)
  • 数量制限なし
  • 保安距離:(※)
  • 保有空地:
他用途を有する
建築物(ビル等)
内の部分に設置
  • 床面積:75㎡以下
  • 耐火構造の建築物の1階または2階に設置
  • すべての危険物(例外あり)
  • 指定数量の倍数:20以下
  • 保安距離・保有空地:不要

出る出るポイント!

  • 保安距離が不要になるとき
    高引火点危険物(第4類で引火点100℃以上のもの)だけを、指定数量の20倍以下で貯蔵する場合は、保安距離は不要となる。
  • 特定屋内貯蔵所
    上表の区分とは別に、一定の要件を満たす場合には特定屋内貯蔵所として特例基準が適用される(名称に「特定」が付く)。
  • 用語の確認
    軒高:柱の上端と連結して屋根を支える部材(敷桁)の上端までの高さ。
    階高:ある階の床面から、直上の階の床面までの高さ。

ひっかけ注意!

  • すべての屋内貯蔵所で数量制限なし」と書いてある選択肢は要注意。独立専用の屋内貯蔵所は原則「数量制限なし」だけど、他用途を有する建築物内の部分では指定数量の倍数20以下という制限がある。
  • 他用途を有する建築物(ビル等)内の屋内貯蔵所について、「保安距離・保有空地が必要」と書いてある問題はひっかけ。表では保安距離・保有空地:不要になっている点をチェック。
  • 軒高と階高の説明が入れ替わっているパターンも定番。軒高=屋根を支える部材の上端まで、階高=ある階の床面から直上の階の床面まで、というセットで覚えておく。
  • 特定屋内貯蔵所はどんな場合でもゆるい基準が適用される」という書き方も×。一定の要件を満たした場合だけ特例が適用される、と読めるかどうかを確認する。
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独立専用・平家建の屋内貯蔵所(高層タイプを除く)

ここでは、屋内貯蔵所のうち現場で最も標準的なタイプである「独立専用・平家建(高層タイプを除く)」の条件を整理する。

階数・軒高、床面積、構造などがセットで問われやすい出題ポイントである。「この条件ならこのタイプ」という形で、ひとまとまりで押さえておく。

独立専用・平家建の屋内貯蔵所の仕様
設備要件
階数・軒高平家建で、軒高6m未満(地盤面から軒まで)とする。
床の位置床の位置は地盤面以上に設ける。
床面積床面積は1,000㎡以下とする。
主要構造壁・柱・床は耐火構造とし、はりは不燃材料とする。
屋根・天井屋根は不燃材料とし、軽量不燃材料(例:金属板)で葺く。
天井は設けない。
開口部窓・出入口には防火設備を設け、ガラスを用いる場合は網入りガラスとする。
床(液状危険物)液状危険物を扱う部分の床は不浸透構造とし、適当な傾斜貯留設備を設ける。

まずはここだけ押さえよう!

  • このタイプは独立専用・平家建で、軒高は6m未満
  • 床は地盤面以上に設け、床面積は1,000㎡以下
  • 壁・柱・床は耐火構造、はり・屋根は不燃材料、そして天井は設けないのがセット。
  • 液状危険物の床は不浸透構造+傾斜+貯留設備の3点セットで覚える。

出る出るポイント!

  • 架台を設ける場合は、不燃材料製とし、堅固な基礎に固定する。
  • 屋内貯蔵所には採光・照明・換気設備を設ける。
  • 引火点70℃未満の危険物を貯蔵する場合は、可燃性蒸気を屋根上へ排出する設備を設ける。
  • 粉じん・可燃性ガスなどで爆発のおそれがある場所に設置する電気設備は、防爆構造とする。
  • 指定数量の倍数が10以上の屋内貯蔵所には、原則として避雷設備を設ける。

ひっかけ注意!

  • 天井を耐火構造で設ける」とする記述はひっかけ。このタイプは天井を設けないのが原則。
  • 「床は地盤面よりに設けてもよい」という文章も×。床の位置は必ず地盤面以上
  • 「壁と柱だけ耐火構造とすればよい」と書いてある場合も×。壁・柱・床まで耐火構造がセットになっている点を確認する。

クイズ

独立専用屋内貯蔵所のうち、平家建以外の建築物について、各階の床面積の合計の基準として正しいものはどれか。

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