構造・設備

屋内タンク貯蔵所のタンクは、平家建の建築物に設けられたタンク専用室に設置する。

地下や2階以上に設置すると、火災時の避難・消火が難しくなり、漏れた危険物が下階へ流れ出すおそれもある。このため、法令では平家建の建築物に設けたタンク専用室内に設置することと定められている。

ここでは、屋内タンク貯蔵所のうち「どこに置くか(設置場所)」「どれだけ離すか(離隔)」が出題のポイントである。

まずはここだけ押さえよう!

  • 平家建の建築物であること。
  • タンク専用室に設置すること。
  • 地下階・2階以上には設置しないこと。

出る出るポイント!

  • 屋内タンク貯蔵所は、「平家建+タンク専用室」をワンセットで覚える。
  • 地下階・2階以上は避難・消火・漏えい時の安全性の面から原則として認められない。
  • このあと出てくる離隔の数字と合わせて「場所+距離」で整理しておくと得点源になりやすい。

ひっかけ注意!

  • 地下に設置してもよい」「2階以上にも設置してよい」といった記述はすべて誤り
  • 工場の一部の室に他の設備と一緒に置いてよい」という記述も×。正しくはタンク専用室に単独で設置するイメージを持っておく。

設置場所と間隔

屋内貯蔵タンクが壁や他のタンクに近すぎると、漏えいや火災が起きたときに被害が拡大しやすくなる。このため法令では、タンクの設置場所タンク同士・壁との間隔について次のような基準が定められている。

屋内貯蔵タンクの設置場所と間隔の基準
項目適用される基準
設置場所平家建の建築物に設けたタンク専用室に設置する。
間隔タンクと壁との間、および同一専用室内のタンク相互間は0.5m以上あける。

出る出るポイント

  • 屋内貯蔵タンクは「平家建」「タンク専用室」に設置する。
  • タンクと壁・タンク相互の間隔は0.5m以上あける。
  • 「距離」の問題では、屋外タンク貯蔵所との違いとセットで整理しておくとよい。

容量の上限

屋内貯蔵タンクには、火災時の危険性をおさえるためにタンク1基ごとの容量同じ専用室内にあるタンクの合計容量に上限が定められている。

試験では、①「指定数量の何倍までよいか」②「第4石油類だけ別枠で数字が出る」の2点がよく問われる。

屋内貯蔵タンクの容量制限
項目数量
一般容量は指定数量の40倍以下とする。
第4石油類
動植物油類を除く
1基の容量は20,000L以下とする。
複数タンク同一専用室内のタンクについては、容量の総計も上記の制限内におさめる。

出る出るポイント

  • 一般の屋内貯蔵タンク:容量は指定数量の40倍以下
  • 第4石油類(動植物油類を除く)は1タンク20,000L以下
  • 複数タンクの場合も、同一専用室内の総容量が「40倍」「20,000L」のいずれも超えないようにする。

通気・安全装置

屋内貯蔵タンクでは、タンク内の圧力を安全に逃がすために通気設備安全装置を設ける。

  • 圧力タンク以外無弁通気管を設ける。
  • 圧力タンク安全装置を設ける。

無弁通気管は、バルブ部をもたない常に「開」の状態になっている通気管である。圧力差で開閉する弁内蔵型の安全弁とは、構造も働き方も異なる点に注意する。

無弁通気管の詳細基準
項目概要
先端の位置通気管の先端は屋外に設け、地上4m以上の高さとする。
敷地境界との離隔貯蔵物が引火点40℃未満のとき、通気管は敷地境界線から1.5m以上離す。

出る出るポイント

  • 圧力タンク以外=無弁通気管圧力タンク=安全装置のセットで覚える。
  • 無弁通気管の先端は屋外・地上4m以上
  • 貯蔵物が引火点40℃未満の場合、通気管は敷地境界線から1.5m以上離す。

ひっかけ注意!

  • 「貯蔵物の引火点が40℃以上のときも、通気管は敷地境界線から1.5m以上離す」とする選択肢は誤り。条件は40℃未満のときだけ。
  • 通気管の高さは地上4m以上が正解。「3m以上」「5m以上」など、数字違いは×。
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タンク専用室の構造

タンク専用室は、屋内で危険物をまとめて扱う「最後の防火ライン」である。火災が起きても炎や熱が外へ広がりにくい構造にしておくことが求められる。

そのため、壁・柱・床・屋根だけでなく、窓や出入口に使うガラスまで含めて「燃えにくい」「火を通しにくい」材料・設備にすることがポイントである。

ただし、引火点70℃以上の第4類のみを貯蔵する場合など、危険性が比較的低い条件では一部に例外が認められている。

タンク専用室の構造要件
項目内容
主要構造壁・柱・床は耐火構造はりは不燃材料とする。
例外
(高引火点)
引火点70℃以上の第4類のみを貯蔵する場合で、延焼のおそれがなければ外壁・柱・床を不燃材料とすればよい。
開口部窓・出入口に防火設備を設ける。延焼のおそれのある外壁の出入口は自閉式の特定防火設備とする。
屋根・天井屋根は不燃材料とし、天井は設けない
ガラス窓または出入口にガラスを用いる場合は網入りガラスとする。

出る出るポイント

  • 主要構造:壁・柱・床=耐火構造/はり=不燃材料
  • 例外:引火点70℃以上の第4類のみなら、延焼のおそれがない範囲で外壁・柱・床=不燃材料で可
  • 開口部:窓・出入口は防火設備、延焼おそれのある外壁の出入口は自閉式の特定防火設備
  • 屋根・天井:屋根=不燃材料/天井=設けない
  • ガラス:窓・出入口に使うガラスは必ず網入りガラス

ひっかけ注意!

  • 天井も不燃材料とする」という選択肢は誤り。正しくは屋根=不燃材料/天井=設けない
  • 引火点70℃以上の第4類のみなら、外壁・柱・床は耐火構造とする」という書き方も×。この場合は不燃材料でよい点を問われやすい。
  • 「窓や出入口のガラスは普通ガラスでよい」という選択肢も×。使用するのは必ず網入りガラス

床・出入口

床まわりは、こぼれた危険物が外に流れ出さないように閉じ込めることが目的である。

そのため床はしみ込まない構造(不浸透構造)とし、こぼれた危険物が一か所に集まるよう適当な傾斜+貯留設備を組み合わせる。

さらに、出入口の敷居を床面より高くしておくことで、タンク室の外へ危険物があふれ出ないようにしている、というイメージである。

床・敷居の基準
項目内容
床構造床は不浸透構造とし、適当な傾斜および貯留設備を設ける。
敷居の高さ出入口の敷居高さ=床面から0.2m以上とする。

出る出るポイント

  • 床まわりのキーワードは不浸透構造適当な傾斜+貯留設備。「床で受け止めて一か所に集める」イメージで押さえる。
  • 出入口の敷居床面より高く(0.2m以上)。外への流出を防ぐ止水ラインとして働く。

ひっかけ注意

  • 床構造は「不浸透構造+傾斜+貯留設備」の3点セットで覚える(どれか1つ抜かれるひっかけに注意)。
  • 敷居高さは0.2m以上。「0.1m」「0.3m」などの数字の入れ替え問題でよく狙われる。

付帯設備

屋内貯蔵タンクには、腐食や誤操作、静電気火花などによる災害を防ぐためにいくつかの付帯設備を取り付ける。

ポイントは、「どのタンクに」「どんな目的の設備を付けるか」をセットで覚えておくことである。

まずはここだけ押さえよう!

  • タンク外面には、腐食を防ぐためさび止め塗装を施す。
  • 液体危険物の屋内貯蔵タンクには、残量を常時確認できるよう自動液面表示装置を設ける。
  • ガソリン・ベンゼンなど静電気災害の危険が大きいものでは、注入口付近に静電気を大地に逃がすための接地電極(静電気除去用)を設ける。

出る出るポイント

  • 腐食対策=さび止め塗装(タンク外面)。ほかの塗装名にすり替えられるひっかけに注意。
  • 液体危険物タンク=自動液面表示装置
  • ガソリン・ベンゼンなど静電気リスク大=接地電極(静電気除去用)。

クイズ

屋内タンク貯蔵所の一般のタンク容量について正しいのはどれか。

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