位置

屋外タンク貯蔵所では、他の施設と異なり敷地内距離を必ず確保しなければならない。目的は、火災時にタンクが受けた熱や炎が周囲の敷地や建物へ延焼するのを防ぐことである。

敷地内距離とは、タンクの側板から事業所の敷地境界線まで最低限あけておくべき距離のことである。この距離は、タンクの区分貯蔵する危険物の引火点区分によって決まる。どのくらい離せばよいかは、次の表で整理して確認する。

構造・設備

屋外貯蔵タンクの構造・設備の基準は、タンクの規模が大きくなるほど厳しくなる。とくに容量の大きいタンクでは、万一事故が起きたときの影響が大きいため、基礎・地盤の仕様や各種試験についてより厳格な基準が定められている。

どの区分のタンクに、どの程度の基準が適用されるかは、このあとの「屋外貯蔵タンク(区分と適用範囲)」の表で確認していく。

まずはここだけ押さえよう!

  • 屋外タンク貯蔵所は、大量の危険物をタンクで貯蔵する専用スペース
  • 位置の基準では、タンク側板から敷地境界線までの距離を意味する敷地内距離がキーワード。
  • 敷地内距離は、タンクの区分危険物の引火点区分の組み合わせで決まる。
  • 構造・設備の基準は、タンク容量が大きいほど厳しくなる。基礎・地盤、防油堤(防液堤)、試験などがセットで問われやすい。

屋外貯蔵タンク(区分と適用範囲)

屋外貯蔵タンクの区分と、より厳格な基準が適用される容量範囲
屋外貯蔵所の種類適用される基準の対象
特定屋外貯蔵タンク貯蔵・取り扱う液体危険物の最大数量1,000kL以上のもの
準特定屋外貯蔵タンク貯蔵・取り扱う液体危険物の最大数量500kL以上1,000kL未満のもの

出る出るポイント!

  • 屋外タンク貯蔵所では、敷地内距離と(別の節で学ぶ)保安距離の違いを整理しておく。
  • 敷地内距離は「タンクの区分 × 引火点区分」の表から出題されやすい。どこからどこまでを測るか(側板から敷地境界)とあわせて覚える。
  • 構造・設備では、基礎・地盤の安全性防油堤非常用遮断設備などが代表的な出題ネタ。
  • 「タンクの容量が大きくなるほど、要求される試験や構造が増える」という方向性を押さえておくと、個々の条文も理解しやすい。

ひっかけ注意!

  • 敷地内距離を設けなくてもよい」とする記述はほぼ誤り。屋外タンク貯蔵所では、敷地内距離を必ず確保するのが原則。
  • 敷地内距離をタンクの中心から測るような書き方はひっかけ。正しくはタンクの側板から敷地境界線までの距離をとる。
  • 「タンクの容量が大きくなるほど基準が緩くなる」という記述も×。容量が大きいほど構造・試験の基準は厳しくなるイメージで覚える。
  • 防油堤(防液堤)について、「設けなくてもよい」と読める文章も要注意。大容量タンクでは、流出した危険物を囲い込む設備が重要な安全対策になる。

装置・配管の基準

屋外タンク貯蔵所では、タンク本体だけでなく装置や配管にも安全のための基準が決められている。代表的なポイントは次のとおりである。

  • 圧力タンク以外のタンクには、内容物の膨張や温度変化に対応するため通気管を設ける。
  • 圧力タンクには、内圧の異常な上昇に備えて安全装置(安全弁など)を設ける。
  • 通気管の先端は、水平より下向きに45°以上折り曲げて、雨水の侵入を防ぐ構造とする。
  • 静電気災害のおそれのある液体(例:ガソリン、ベンゼンなど)を扱う場合は、注入口付近接地電極(静電気除去用)を設置する。
  • 指定数量の倍数が10以上の屋外タンク貯蔵所では、原則として避雷設備を設ける。
この範囲の問題を解く(登録無料)

防油堤の基準

対象:液体の危険物(二硫化炭素を除く)を扱う屋外貯蔵タンクの周囲に設ける、油の漏えいを囲い込むための堤(防油堤)に関する基準である。

防油堤の仕様(容量・寸法・材質・排水・出入り)
仕様防油堤に関する基準
容量
  • 単一タンクのみの場合:防油堤の容量はタンク容量の110%以上とする。
  • 非引火性危険物のみを扱うときは100%以上でよい。
  • 複数タンクがある場合:防油堤の容量は最大タンク容量の110%以上とする。
高さ・面積堤の高さは0.5m以上とし、防油堤で囲まれた堤内面積は80,000㎡以下におさえる。
材質・構造鉄筋コンクリート又は土で造り、外側へ油がしみ出さない漏えい防止構造とする。
排水清掃や雨水排出用に水抜口を設け、その開閉弁は堤の外部に設けて操作できるようにする。
出入り高さ1mをこえる防油堤などでは、おおむね30mごとに階段を設けるか、盛土等で安全に出入りできるようにする。

出る出るポイント!

  • 複数タンクがある防油堤の容量は、「最大タンク容量 × 1.1(=110%)」で求める。
  • 例)タンクA 2,000 L、タンクB 1,500 L の場合、最大はAなので2,000 × 1.1 = 2,200 L … この2,200 L以上が、防油堤に必要な最低容量となる。

ひっかけ注意!

  • 防油堤の容量はタンク容量の100%以上でよい」という選択肢は原則×。非引火性危険物のみを扱う場合だけ100%以上、それ以外は110%以上が原則になる。
  • 「堤の高さは0.3m以上」「堤内面積の上限は50,000㎡以下」など、0.5m・80,000㎡以外の数値が出てきたら要注意。

特例:二硫化炭素タンク

二硫化炭素(CS2)を貯蔵するタンクは、防油堤ではなく水槽で囲う特例構造が要求される。

二硫化炭素タンクに必要な構造は次のとおりである。

  • 厚さ0.2m以上の壁をもつ、水漏れのない鉄筋コンクリート製の水槽を設ける。
  • その水槽内にタンクを入れて水没させておく。

出る出るポイント!

  • 防油堤の基準がかかるのは、液体の危険物(「二硫化炭素」は除く)の屋外貯蔵タンク。二硫化炭素だけは別枠の特例である。
  • 二硫化炭素は比重・蒸気比重が1より大きいうえ、水に溶けにくい(非水溶性)
  • タンクが破損しても、液体は水より重いため水槽内に沈み込み、水面がふたとなって蒸気の発生・拡散を抑える狙いがある。

ひっかけ注意!

  • 二硫化炭素にも防油堤の基準がそのまま適用される」という選択肢は誤り。
  • 「二硫化炭素タンクは、防油堤で囲む」と書かれていたら×。正しくは水槽内にタンクを入れて水没させる構造になる。

クイズ

準特定屋外貯蔵タンクに該当する「最大数量の範囲」として正しいものは次のうちどれか。

この範囲の問題を解く(登録無料)