予防規程とは
予防規程で必ず定めておく主な事項(全16項目)は、 概ね次のとおりです。
まずはここだけ押さえよう!
はじめの第1・第2項目は、 一言でいうと「誰が危険物保安を指揮するか」を決めるパートです。
- 第1項目: 危険物保安の「トップ(統括者)」の職務範囲・責任・組織体制を定める。
- 第2項目: トップ(危険物保安監督者)が不在のときの代役(職務代行者)と、 その権限・連絡体制を決める。
つまりキーワードは「統括者」と「職務代行者」。 誰が指揮をとるのかを明文化しておくことが、予防規程のスタート地点です。
1. 危険物保安に関する業務の統括
危険物保安に関する業務を統括する者の職務の範囲、 責任分担および組織体制に関すること。
誰がどこまで責任を負うのか、組織図や担当区分も含めて 指揮命令系統をはっきりさせておくイメージで押さえよう。
2. 危険物保安監督者の不在時対応(職務代行者)
危険物保安監督者が不在のときに、その職務を代行する者の選任、 権限および連絡体制に関すること。
職務代行者の主な要件は、次のとおりです。
- 甲種または乙種の危険物取扱者免状を有していること。
- 危険物保安監督者に相当する能力・権限を備えていること。
- 業務遂行に必要な条件(勤務形態・配置など)を満たしていること。
試験では「誰でも代行できるわけではない」点と、 上の3つセットで要件になっているところが、 出題のひっかけポイントになりやすい。
3. 自衛消防体制
自衛消防組織の整備および運用に関すること。
- 化学消防自動車等の配置。
- 自衛消防組織の編成、役割分担、連絡体制。
4. 保安教育
危険物の保安に係る作業従事者に対する保安教育の計画・実施・記録に関すること。
5. 巡視・点検・検査
危険物の保安のための巡視・点検・検査の頻度・方法・記録および 是正措置に関すること。
6. 危険物施設の運転・操作
危険物施設の運転・操作の標準手順、運転開始・停止時の許可・承認、 異常時の停止手順に関すること。
7. 危険物の取扱作業基準
危険物の取扱作業の基準 (準備・実施・終了処置、保護具の使用、静電気対策など)に関すること。
8. 設備・容器等の補修
設備・容器等の補修(修理・交換・改造)の方法および 作業後の品質確認に関すること。
出る出るポイント(運用ルール編)
- 第3項目〜第5項目: 自衛消防体制・保安教育・巡視・点検・検査は 「人と組織+日常の保安活動」のセットとして押さえる。
- 第6項目〜第8項目: 危険物施設の運転・作業基準・補修は いわば「運転・作業・補修の三本柱」。 試験ではこの3つを並べ替えたり、一部だけ抜いた肢がよく出る。
- イメージ暗記: 「人を鍛える(教育) → 現場を見る(巡視・点検) → 設備を安全に動かす(運転・作業) → 壊れたら直す(補修)」 という流れでストーリーにして覚えるとラク。
9. 工事時の安全管理
工事時における安全管理に関すること。
- 火気使用の管理および火気作業の許可・監視。
- 危険物・可燃物の一時保管・搬出管理。
- 養生・防火区画の確保など。
10. 給油取扱所:専用タンクへの注入作業中の立会い・監視
専用タンクへの危険物の注入作業中における立会い・監視およびその他の保安措置に関すること ( 規則第40条の3の3の2「専用タンクに危険物を注入する時の措置」 )。
- 立会者の資格要件と配置。
- 監視範囲・方法、交差作業の可否・時間帯の区分。
- 漏えい・静電気対策、緊急停止・通報手順 等。
11. 給油取扱所:非稼働時の保安措置・表示
給油業務が行われていないときの保安措置および表示に関すること ( 規則第40条の3の6の2「給油の業務が行われていない時の措置」 )。
- 緊急時連絡先・通報手順の表示。
- バルブ・電源の遮断および施錠・立入管理。
- 監視・巡回方法、漏えい・火災時の初動、消火設備の可用性確保など。
12. セルフスタンドの監視・保安措置
セルフ方式の給油取扱所における監視体制および保安措置に関すること。
- 監視体制(対面/カメラ/インターホン)。
- 緊急停止装置の配置・作動点検。
- 給油手順・禁止事項の掲示、静電気・着火源対策。
- 容器持込み・年齢等の制限、こぼれ・漏えい時の初動、火気厳禁・喫煙管理など。
ここだけ押さえよう!(工事+給油所まわり)
- 工事時: 火気管理・一時保管・搬出管理など、「工事専用の安全ルール」をまとめて定める。
- 第10項目: 専用タンクへの注入作業中の立会い・監視ルール。
- 第11項目: 給油業務が止まっているときの保安措置と表示。
- 第12項目: セルフ方式では、顧客監視体制+緊急停止装置+掲示がセットで必須。
出る出るポイント
- 工事時管理: 「火気管理」と「危険物・可燃物の一時保管」が典型的な出題ポイント。
- 専用タンク: 注入中は必ず立会い・監視。立会者の資格要件や監視範囲が問われやすい。
- 非稼働時: 電源・バルブの遮断と施錠、緊急連絡先の表示は鉄板ネタ。
- セルフ: 「対面/カメラ/インターホン+緊急停止装置+禁止事項の掲示」で顧客をどう見守るかをイメージして覚える。
ひっかけ注意!
- 専用タンク注入中(第10項目)と、給油業務が行われていない時(第11項目)をごちゃまぜにする選択肢に注意。
- セルフスタンドの「顧客監視」は任意ではなく必須。
「監視は努力義務」「掲示は任意」などの表現は×。 - 工事時の項目で、在庫管理や賃金などビジネス寄りの話を混ぜてくる選択肢は切り捨ててOK。
13. 非常時(災害・事故等)の措置
災害や事故が発生した場合に取るべき措置に関すること。
- 通報・避難誘導、初期消火。
- 電源・ポンプ・バルブの遮断。
- 指揮命令系統・連絡網の整備。
- 立入禁止・二次災害防止、再開判定・復旧手順など。
14. 地震・津波時の点検・応急措置
地震・津波等が発生した場合の点検および応急措置に関すること。
- 設備・配管・タンク等の異常点検、漏えい・傾斜・亀裂の確認。
- 電源・バルブの遮断、一時停止・再開判定。
- 避難・立入規制など。
15. 記録の作成・保存・管理
危険物保安に関する記録の作成、保存および管理に関すること。
- 巡視・点検・検査の記録。
- 教育・訓練の記録。
- 異常・事故、補修・改造、是正措置の履歴など。
16. 図面・書類の整備
製造所等の位置・構造・設備を明示する書類・図面の整備に関すること。
- 配置図・平面図・配管系統図・電気系統図。
- 危険物設備の仕様書等の最新版維持および改訂履歴の管理。
ここだけ押さえよう!(非常時・記録・図面まわり)
- 13番: 災害・事故時は「通報・避難 → 初期消火 → 遮断 → 二次災害防止」の流れをイメージ。
- 14番: 地震・津波時は「点検+遮断+避難」の3本柱。
- 15番: 記録は保安の“カルテ”。巡視・教育・事故・補修などを時系列で残す。
- 16番: 図面・書類は“地図+取扱説明書”。常に最新版で維持するのがポイント。
出る出るポイント
- 非常時の流れ: 通報・避難 → 初期消火 → 電源・ポンプ・バルブ遮断 → 二次災害防止・復旧手順、と 順番つきで問われることが多い。
- 地震・津波: タンク・配管・基礎などの点検対象と、 再開判定を急がない姿勢(安全確認優先)がよく出題される。
- 記録: 「作成・保存・管理」の三点セット。 異常・事故・是正措置の履歴まで含めて残す点をおさえる。
- 図面・書類: 配置図・配管系統図などは現況と一致していることが前提。 改造したのに図面が古いまま…は×。
ひっかけ注意!
- 非常時の項目で、避難より設備保護を優先するような記述は×。 人命優先が大前提。
- 記録を「任意で作成してもよい」「保存期間は特に定めない」とする選択肢は×。 保安の裏付け資料として計画的な保存が求められる。
- 図面・書類について「改造しても図面の更新は不要」とする記述や、 「最新のもののみ保存し、改訂履歴は不要」とする記述は×。
クイズ
次は第1章17節:危険物施設の維持・管理に進みます。