予防規程とは

法令で定める製造所等の 所有者・管理者又は占有者(=所有者等)は、 当該施設における 火災の発生・拡大を防ぐためのルール(予防規程)自ら定めなければなりません。

予防規程は、危険物施設ごとの位置・構造・設備や作業内容など、 各現場の実情に合わせて作る「自主保安のための基準」です。 例えば、作業手順、点検・保守の方法、異常時の連絡・初期対応、教育・訓練の方法などが盛り込まれます。

所有者等と、その危険物取扱いに従事する者(従事者)は、 定められた予防規程の内容をよく理解し、 日常の業務の中で確実に遵守することが求められます。

まずはここだけ押さえよう!

予防規程は作って終わりではなく、 「認可」「周知(教育)」「運用」までセットで考えることが重要です。 認可の手続きや対象となる施設の範囲は、このあと別の項目で整理します。

出る出るポイント

  • 誰が? 製造所等の所有者等(施設の管理主体)。
  • 何を? 現場の実情に即した自主保安のためのルール(予防規程)を定める。
  • なぜ? 火災の発生・拡大を防ぐ、つまり予防が目的。
  • 誰が守る? 所有者等と従業者全員が内容を理解し、遵守する。
  • 出題ポイント:「各施設の実情に合わせる」=画一的ではない点がキーワード。
  • ひっかけ注意:「定めれば終わり」ではなく、教育(周知)・運用まで含めて実効性を確保する。
  • 用語整理:「製造所等」は製造所・貯蔵所・取扱所などの総称。
  • 覚え方「主(所有者)・守(従業者)・自(自主保安)」主・守・自でセット記憶。

認可と変更命令

製造所等の所有者等は、予防規程を定めたときは 市町村長等の認可を受けなければなりません。 内容を変更する場合も同様に認可が必要です。

認可:本来は当事者の行為だけでは効力が生じない場合に、 行政庁が同意して効力を完成させる行為(例:予防規程の認可)。

許可:原則として禁止されている行為について、 特定人・特定の事件に限り禁止を解除する行為(性質が異なる)。

予防規程の対象となる製造所等で、認可を受けずに危険物を貯蔵・取扱いした者は、 6か月以下の懲役または50万円以下の罰金 (消防法第42条第1項第8号)となります。

市町村長等は、火災予防上必要があるときは、 予防規程の変更を命ずることができます(変更命令)。

まずはここだけ押さえよう!

  • 提出先: 設置場所を管轄する市町村長等への認可申請(通常は消防署経由)。
  • タイミング: 予防規程を作るときも・変えるときも認可が必須
  • 罰則: 認可なしで危険物を貯蔵・取扱い → 懲役6か月以下または罰金50万円以下

出る出るポイント!

  • 認可 vs 許可: 予防規程は認可で整えるルール/ 行為の禁止解除は許可で認める行為。
  • 変更命令: 市町村長等が火災予防上必要と判断したときに出せる「命令」である。
  • 暗記フレーズ: 「作るも変えるも“認可”必須」「必要なら“長”が変更命令」

ひっかけ注意!

  • 届け出で足りる」→ ×(必ず認可)。
  • 許可を受ける」→ ×(予防規程は認可案件)。
  • 市町村長等の行政指導」→ ×(ここでは変更命令=命令行為)。

予防規程を定めなければならない製造所等

次の製造所等は、予防規程の策定が必須です(「指定数量の倍数」で判定)。

予防規程の策定が必要となる製造所等と基準

予防規程の策定が必要となる製造所等と基準
対象となる製造所等 貯蔵・取扱い量(指定数量の倍数)
製造所 10以上
屋内貯蔵所 150以上
屋外タンク貯蔵所 200以上
屋外貯蔵所 100以上
給油取扱所 すべて(自家用車の屋外給油取扱所を除く)
移送取扱所 すべて
一般取扱所 10以上(ただし、下記③を除く)

見逃し注意!

※以下に該当するものは対象外(除外)となります。

  1. 鉱山保安法第19条第1項の規定による 保安規定を定めている製造所等
  2. 火薬類取締法第28条第1項の規定による 危害予防規程を定めている製造所等
  3. 指定数量の倍数が30以下かつ引火点40℃以上第4類危険物のみを容器に詰め替える一般取扱所

まずはここだけ押さえよう!

  • 倍数セット: 製造所10・屋内150・屋外タンク200・屋外100・一般10
    リズムで「10・150・200・100・10」。
  • “すべて”が2つ: 給油取扱所(屋外の自家用車給油所を除く)と 移送取扱所は指定数量に関係なく必ず予防規程が必要
  • 一般取扱所の例外: 指定数量の倍数が30以下かつ引火点40℃以上第4類のみを詰め替える一般取扱所対象外

出る出るポイント!

  • 除外の2法: 鉱山保安法保安規定火薬類取締法危害予防規程がある製造所等は すでに他法で管理されているため予防規程の対象外
  • 判定は「指定数量の倍数」: 倍数 = 保有量 ÷ 指定数量 で計算する。
    例:指定数量 200L の危険物を 2万L → 倍数 = 20,000 ÷ 200 = 100倍 (屋外貯蔵所なら対象)。
  • 施設ごとの性格: 製造所・一般取扱所は「10倍以上」で線引き/ 屋内・屋外・屋外タンクは大口の貯蔵施設として高い倍数が設定されている。

ひっかけ注意!

  • 倍数のすり替え:屋内は200倍」「屋外タンクは150倍」と 150と200を入れ替える問題は×。
  • 一般取扱所30倍トラップ:一般取扱所は30倍以上で必要」は誤り。 正しくは10倍以上(ただし③の例外は除外)
  • 除外を無視する文言:鉱山保安法・火薬類取締法の規定があっても予防規程が必要」という文は× (この2法に基づく規程があれば予防規程は不要)。

クイズ

認可・許可および予防規程に関する記述として、正しいものはどれか。

次は第1章16節:予防規程に定める事項に進みます。

予防規程に定める事項