定期点検とは
法令で定める製造所等の所有者等(所有者・管理者・占有者)は、当該製造所等について定期に点検を実施し、その点検記録を作成して一定期間保存しなければならない。
定期点検は、製造所等の位置・構造・設備が、消防法で定める技術上の基準に適合しているかどうかを確認するために行う。
まずここだけ押さえよう!
- 義務者は製造所等の所有者等(所有者・管理者・占有者)。
- 定期に点検する・点検記録を作成する・一定期間保存するのがセット。
- 点検の中身は位置・構造・設備が技術上の基準に合っているかのチェック。
定期点検の実施者
定期点検は、原則として危険物取扱者(甲種・乙種・丙種)または危険物施設保安員が行う。
ただし、危険物取扱者(甲・乙・丙)の立会いがある場合は、資格を持たない者でも点検を実施できる(点検そのものは無資格者でも可)。
※「定期点検の立会い」と「危険物の取扱作業の立会い」は別ものである。危険物の取扱作業の立会いができるのは、甲種または乙種の危険物取扱者のみで、丙種は取扱作業の立会いは不可である。
また、地下貯蔵タンク・地下埋設配管・移動貯蔵タンク等の漏えい点検は、点検方法に関する十分な知識・技能を有する者が行わなければならない。固定式泡消火設備の点検も同様に、泡の発泡機構や泡消火薬剤の性状・性能についての知識・技能を持つ者が実施する。
出る出るポイント!
- 定期点検の実施者は危険物取扱者か危険物施設保安員。
- 危険物取扱者の立会いがあれば、無資格者でも点検実施OK。
- 地下タンク・地下埋設配管・移動タンク・固定式泡消火設備などは専門的な知識・技能を持つ者による点検が必要。
ひっかけ注意!
定期点検の立会いは「甲・乙・丙 いずれの危険物取扱者でもOK」だが、危険物の取扱作業の立会いは甲種・乙種のみ。「丙も立会いできる」と思い込んでいると、取扱作業の立会いの問題で誤答させられる典型パターンである。
定期点検の対象施設
定期に点検しなければならない製造所等は、次のとおりである。
定期に点検をしなければならない製造所等| 対象施設 | 貯蔵・取り扱う危険物の数量 |
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| 製造所 | 指定数量の倍数が10以上、または地下タンクを有するもの |
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| 屋内貯蔵所 | 指定数量の倍数が150以上のもの |
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| 屋外タンク貯蔵所 | 指定数量の倍数が200以上のもの |
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| 屋外貯蔵所 | 指定数量の倍数が100以上のもの |
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| 地下タンク貯蔵所 | すべて |
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| 移動タンク貯蔵所 | すべて |
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| 給油取扱所 | 地下タンクを有するもの |
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| 移送取扱所 | すべて |
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| 一般取扱所 | 指定数量の倍数が10以上、または地下タンクを有するもの |
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まずここだけ押さえよう!
- 地下タンク貯蔵所と移動タンク貯蔵所は、すべてが定期点検の対象。
- 移送取扱所も、取り扱い量に関係なくすべて定期点検の対象。
- 製造所・一般取扱所は「10倍以上」か「地下タンクあり」で対象になる。
出る出るポイント!
次の施設は、定期点検の対象から除外される。
- 火薬類取締法による危害予防規定を定めている製造所等
- 鉱山保安法による保安規定を定めている製造所等
- 指定数量の倍数が30以下かつ引火点40℃以上の第4類危険物のみを容器に詰め替える一般取扱所(地下タンクを有するものを除く)
- 次のような、定期点検を行わなくてもよい製造所等:
定期点検の時期と記録の保存
定期点検は、原則として1年に1回以上行わなければならない。
ただし、災害その他の非常事態の発生や、保安上の特別な必要が生じたことにより定期点検の実施が困難と認められる場合には、市町村長等が点検期限を別途定めることができる。
このうち、タンクや配管の漏れの有無を確認する点検については、次のように点検期間が別に定められている。
まずここだけ押さえよう!
- 定期点検(全体)は年1回以上が原則。
- 地下タンク・地下埋設配管の漏れ点検:1年ごとに1回以上。
- 移動貯蔵タンクの漏れ点検:5年ごとに1回以上。
地下貯蔵タンク・地下埋設配管の漏れ点検の期間| 対象 | 漏れ点検の期間 |
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地下貯蔵タンク/ 地下埋設配管 | 設置の完成検査済証(または変更の許可)の交付日、もしくは前回の漏れの検査を行った日から、1年を経過する日の属する月の末日までの間に1回以上実施する。 |
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移動貯蔵タンクの漏れ点検の期間| 対象 | 漏れ点検の期間 |
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| 移動貯蔵タンク | 設置の完成検査済証(または変更の許可)の交付日、または前回の漏れの点検を行った日から、5年を経過する日の属する月の末日までの間に1回以上実施する。 |
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出る出るポイント!
- 定期点検の記録は3年間保存する。ただし、移動タンク貯蔵所の漏れの点検記録は10年間保存する。
- 「すべて」が2つ:給油取扱所(屋外の自家用車給油取扱所を除く)と移送取扱所は、危険物の数量にかかわらず定期点検が例外なく必要である(前のセクションの復習)。
- 定期点検の記録は、市町村長等や消防機関へ届け出る義務はないが、資料の提出を求められることがある。
ひっかけ注意!
- 漏れ点検の周期は、地下タンク・地下埋設配管=1年、移動貯蔵タンク=5年。「どっちが1年でどっちが5年か」を取り違える定番ひっかけである。
- 記録の保存は、通常の定期点検=3年、移動タンクの漏れ点検=10年。「3年」と「10年」の数字を入れ替える問題にも注意。
定期点検のまとめ
定期点検のまとめ| 区分 | 一般の点検 | 漏れの点検(※1) |
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| 点検の実施者 | - 危険物取扱者(甲・乙・丙)
- 危険物施設保安員
- 1または2の立会いがある者
| - 危険物取扱者(甲・乙・丙)(※2)
- 危険物施設保安員(※2)
- 危険物取扱者の立会いがある者(※2)
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| 実施回数 | 1年に1回以上 | 1年に1回以上(移動貯蔵タンクは5年に1回以上(※3)) |
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| 記録保存 | 3年間 | 3年間(移動貯蔵タンクは10年間(※3)) |
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注釈
- (※1)地下貯蔵タンク、地下埋設配管、および移動貯蔵タンク。
- (※2)漏れの点検の方法に関し、知識および技能を有する者。
- (※3)移動貯蔵タンク。
内部点検
定期点検に加えて、引火性液体の危険物を貯蔵または取り扱う屋外タンク貯蔵所(岩盤タンクおよび海上タンクに係るものを除く)で、容量が1,000kL以上10,000kL未満のものは、内部点検を行う必要がある。
内部点検は、13年または15年の周期(※)を超えない日までの間に1回以上実施しなければならない。
ただし、当該期間内に内部点検を行うことが困難な場合で、その旨を市町村長等に届け出たときは、点検の時期を2年に限り延長することができる。
(※)周期の起点となる日は、次のいずれかである。
- 完成検査済証の交付日
- 直近の内部点検実施日
- 保安検査を受検した日
また、15年周期とすることができるのは、法令で定める保安措置が講じられていることに加え、あらかじめ市町村長等へその旨を届け出ている場合に限られる。
内部点検の記録は、26年間または30年間保存しなければならない。
まずここだけ押さえよう!
- 対象は屋外タンク貯蔵所のうち、1,000kL以上10,000kL未満のタンク。
- 岩盤タンク・海上タンクは対象外であることに注意。
- 内部点検は13年または15年の周期ごとに1回以上実施する。
- やむを得ない事情があれば、届け出により2年間まで延長可。
- 内部点検の記録は26年または30年保存が必要。
出る出るポイント!
- 内部点検の周期13年/15年と、記録保存26年/30年の数字の組合せは頻出。
- 周期の起点は、完成検査済証交付日・直近の内部点検実施日・保安検査受検日のいずれか。
- 15年周期にできるのは、保安措置が講じられている+事前の届け出がある場合のみ。
ひっかけ注意!
- 「岩盤タンクや海上タンクも内部点検の対象」とまとめて書かれていたら誤り。
- 「いつでも15年周期でよい」と書かれていたら誤りで、保安措置+事前届け出が必要。
- 「内部点検の記録は3年間保存」など、通常の定期点検と同じ年数を混同させる出題に要注意。
点検記録の記載事項
点検記録には、次の事項を記載しなければならない。
- 点検を実施した製造所等の名称
- 点検の方法および結果
- 点検年月日
- 点検を行った危険物取扱者または危険物施設保安員の氏名、または点検に立ち会った危険物取扱者の氏名
出る出るポイント!
- 点検記録は「どこで・どう点検したか・いつ・だれが」の4点セットで覚える。
- 4つのうち1つでも欠けると不正解になる出題が多い。
- 氏名の欄には、点検を行った危険物取扱者または保安員か、点検に立ち会った危険物取扱者を記載する。
ひっかけ注意!
- 「危険物の貯蔵数量」「タンクの容量」などは点検記録の記載事項ではない。
- 「点検結果のみを記載すればよい」とする肢は誤り。点検の方法も必ず記録する。
- 「点検に立ち会った者の氏名」として、誰でもよいと書かれていたら誤り。立会者として記録できるのは危険物取扱者に限られる。