概要
法令で定める製造所等の所有者等は、危険物保安監督者を選任し、当該監督者に、その者が取り扱うことができる危険物に係る取扱作業について保安の監督を行わせなければならない。
所有者等は、危険物保安監督者を選任したとき、または解任したときは、遅滞なくその旨を市町村長等に届け出なければならない。
危険物保安監督者となるには、甲種または乙種の危険物取扱者であり、かつ製造所等における実務経験が通算6か月以上あることが必要である。なお、乙種の場合、監督できるのは免状で指定された類に限られる。
| 6か月以上の実務経験について |
|---|
| ① 経験として算入できるのは製造所等における実務に限る。 |
| ② 免状交付後の経験に限定されない(交付前の実務も算入可)。 |
| ③ 複数の製造所等の通算で6か月以上あれば可。 (その場合は各製造所等の実務経験証明書が必要) |
※危険物保安監督者は、危険物の取扱作業に関する保安の監督にあたり、誠実に職務を遂行しなければならない。
危険物保安監督者の選任を必要とする製造所等
次の施設は、危険物の品名や指定数量の倍数にかかわらず、常に 危険物保安監督者の選任が必要となる。 ただし、屋外貯蔵所は指定数量の倍数が30倍を超える場合に限り選任が必要である。
| 危険物保安監督者の選任が必要となる施設(原則) |
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| ①製造所 |
| ② 屋外タンク貯蔵所 |
| ③ 屋外貯蔵所(指定数量の30倍を超える場合に必要) |
| ④(給油取扱所) |
| ⑤ 移送取扱所 |
| ⑥ 一般取扱所(一部の形態を除き選任が必要) |
※ 上記以外の施設は、危険物の品名・引火点・指定数量の倍数等により要否が区分される。
※ 例:販売取扱所・屋内タンク貯蔵所では、
「引火点40℃未満の第4類」または「第4類以外」を貯蔵・取扱う場合に選任が必要。
※ 移動タンク貯蔵所は、危険物保安監督者の選任不要。
危険物保安監督者の業務
危険物の取扱作業にあたり、当該作業が 法第10条第3項の技術上の基準および 予防規定等の保安に関する規定に 適合するよう、作業者に必要な指示を与える(規則第48条)。 ※ 製造所等における危険物の貯蔵・取扱いは、政令で定める技術上の基準に従って行う必要がある(法第10条第3項)。
火災等の災害が発生した場合は、作業者を指揮して応急の措置を講ずるとともに、 直ちに消防機関その他の関係者へ連絡する。
危険物施設保安員を置く製造所等にあっては、当該保安員に必要な指示を与える。 危険物施設保安員を置いていない製造所等にあっては、法令で定める 危険物施設保安員の業務を代行する。
例:施設の定期・臨時点検の実施、計測装置・制御装置・安全装置等の保安管理 など。詳しくは「第1章14節:危険物施設保安員」を参照。
火災等の災害の防止に関し、隣接する製造所等その他の 関連施設の関係者と連絡を保つ。
クイズ
次は第1章13節:危険物保安統括管理者に進みます。