概要

法令で定める製造所等の所有者等は、 その施設における危険物の取扱作業について 保安の監督を行わせるため、 危険物保安監督者選任しなければなりません。

所有者等が危険物保安監督者を選任したとき、 または解任したときは、 その旨を遅滞なく市町村長等に届け出る義務があります。

危険物保安監督者になれるのは、次の条件を満たす人です。

  • 甲種または乙種の危険物取扱者であること。
  • 製造所等における実務経験が通算6か月以上あること。
  • 乙種の場合、監督できるのは 免状で指定された類の危険物に限られること。

6か月以上の実務経験について

6か月以上の実務経験として認められるのは、次の内容です。

  1. 経験として算入できるのは、 製造所等における危険物の取扱作業に関する実務に限る。
  2. 免状交付後の経験に限定されない (免状交付前の実務も算入できる)。
  3. 複数の製造所等での経験を通算して6か月以上あればよい。
    (その場合は、各製造所等の実務経験証明書が必要となる)

※危険物保安監督者は、危険物の取扱作業に関する保安の監督にあたり、 誠実に職務を遂行しなければなりません。

まずここだけ押さえよう!

  • 危険物保安監督者を選任する義務があるのは、 製造所等の所有者等
  • 選任・解任をしたときは、遅滞なく市町村長等へ届け出る。
  • 監督者になれるのは、甲種または乙種の取扱者で、 実務経験6か月以上ある人だけ。

出る出るポイント!

  • 「所有者等 → 監督者を選任 → 市町村長等に届け出」の流れを セットで暗記しておく。
  • 実務経験の期間は6か月以上。 「1年」「2年」とズラしてくる選択肢に注意。
  • 乙種保安監督者が監督できるのは、 免状で指定された類の危険物のみという点も頻出。

ひっかけ注意!

  • 届け出義務があるのは監督者本人ではなく、 あくまで製造所等の所有者等
  • 丙種だけでは保安監督者になれない。 「危険物取扱者なら誰でもOK」ではない。
  • 甲種はすべての類を監督できるが、 乙種は自分の免状の類だけという範囲の違いを取り違えない。

危険物保安監督者の選任を必要とする製造所等

次の施設は、危険物の品名や指定数量の倍数にかかわらず、常に 危険物保安監督者の選任が必要となる。 ただし、屋外貯蔵所指定数量の倍数が30倍を超える場合に限り選任が必要である。

危険物保安監督者の選任が必要となる施設(原則)

危険物保安監督者の選任が必要となる主な施設は、次の6種類です。

  1. 製造所
  2. 屋外タンク貯蔵所
  3. 屋外貯蔵所
    指定数量の30倍を超える場合に必要)
  4. 給油取扱所
  5. 移送取扱所
  6. 一般取扱所
    一部の形態を除き選任が必要)

まずここだけ押さえよう!

※ 上記の6施設は、原則として危険物保安監督者の選任が必要なグループ。

※ それ以外の施設(販売取扱所・屋内タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所など)は、
危険物の品名・引火点・指定数量の倍数によって要否が決まる。

出る出るポイント!

  • 試験では、「原則として常に必要な6施設」と、 「条件付きで必要になる施設」
     グループ分けして覚えているかが問われやすい。
  • 原則グループは製造所・屋外タンク貯蔵所・屋外貯蔵所(30倍超)・給油・移送・一般取扱所の6つとセットで押さえる。

ひっかけ注意

  • 屋外タンク貯蔵所は、危険物の種類や数量にかかわらず常に選任が必要
    条件付きなのは屋外貯蔵所(指定数量の30倍超)の方。
  • 移送取扱所は「必要」・移動タンク貯蔵所は「不要」
    「タンク」という言葉だけ見て、どちらも必要と判断してしまうと誤り。
  • 販売取扱所・屋内タンク貯蔵所は、
    「引火点40℃未満の第4類」または「第4類以外」を扱う場合だけ選任が必要。
    第4類ならすべて必要」と書いてあったらひっかけ問題。

危険物保安監督者の業務

危険物の取扱作業にあたり、当該作業が 法第10条第3項の技術上の基準および 予防規定等の保安に関する規定に適合するよう、 現場の作業者に必要な指示を与える(規則第48条)。

※ 製造所等における危険物の貯蔵・取扱いは、 政令で定める技術上の基準に従って行う必要がある(法第10条第3項)。

火災等の災害が発生した場合は、作業者を指揮して 応急の措置を講ずるとともに、 直ちに消防機関その他の関係者へ連絡する。

危険物施設保安員を置く製造所等にあっては、 当該保安員に必要な指示を与える。 危険物施設保安員を置いていない製造所等にあっては、 法令で定める危険物施設保安員の業務を代行する。

例:施設の定期・臨時点検の実施、 計測装置・制御装置・安全装置等の保安管理 など。 詳しくは「第1章14節:危険物施設保安員」を参照。

火災等の災害の防止に関し、 隣接する製造所等その他の 関連施設の関係者連絡を保つ

まずここだけ押さえよう!

  • 根拠条文は法第10条第3項(技術上の基準)+ 規則第48条(指示義務)のセット。
  • 役割の柱は「作業者への必要な指示」「災害時の応急措置・消防機関への連絡」の2つ。

出る出るポイント!

  • 火災等の災害時の流れは 「作業者を指揮」→「応急の措置」→「消防機関等へ連絡」 の順番でイメージしておく。
  • 危険物施設保安員がいる場合は 「必要な指示を与える」、いない場合は その業務を代行する、という 2パターンを区別して覚える。
  • 代行する業務の例として、 定期・臨時点検や計測装置・安全装置等の保安管理がある。 「第1章14節:危険物施設保安員」とリンクさせて整理する。
  • 火災等の災害の防止のため、 隣接する製造所等や関連施設との連絡調整も 業務に含まれる点に注意。

ひっかけ注意!

  • 設備の保守・点検そのものは 「危険物施設保安員」の主な業務。 危険物保安監督者は、これらを 指示・監督する立場である点を押さえる。
  • 所有者等の義務である 「危険物保安監督者の選任・解任の届出」と、 危険物保安監督者自身の業務を 混同しないようにする。
  • 試験では「危険物取扱者」「危険物施設保安員」 「危険物保安監督者」の役割を入れ替えた肢が頻出。 誰が現場で作業・点検する側で、 誰が指示・監督する側かをイメージして区別する。

クイズ

危険物保安監督者になるための条件の一つとして、誤っているものはどれか。

次は第1章13節:危険物保安統括管理者に進みます。

危険物保安統括管理者