10. 運搬と移送

運搬と移送
「運搬」は容器入り危険物を車両に積載して運ぶこと。
「移送」はタンクローリー(移動タンク貯蔵所)等で危険物を移動させること。
手段 規定 危険物取扱者の同乗/関与 消火設備 標識
運搬 容器に入った危険物をトラック等の車両に積載して運ぶ。
  • 技術上の基準に適合させること
  • 一部規定は「指定数量の1/10以下」で適用除外あり
  • 積み込み
  • 荷卸し等の取扱作業は有資格者が関与
  • 運転者本人の免状は必須ではない(有資格者の関与が必要)
指定数量以上: 消火器等の備え付けが必要 指定数量以上: 「危」標識の掲示
指定数量未満: 不要 指定数量未満: 不要
移送 危険物をタンクローリー(移動タンク貯蔵所)で運ぶ。 移動タンク貯蔵所の基準・規定に適合させること。 当該危険物を取り扱える危険物取扱者が免状携帯の上、運転または同乗。 自動車用消火器 2個以上 を備付け。 「危」の標識を掲示。

補足・注釈

  • 移送時に移動タンク貯蔵所へ備え付ける書類
    ① 完成検査済証/② 定期点検記録/③ 譲渡・引渡しの届出書/ ④ 品名・数量(又は指定数量の倍数)の届出書
  • 運転要員の人数(連続運転の扱いに注意)
    次のいずれかに該当するときは、2人以上の運転要員が必要
    連続運転時間が4時間を超えるとき
    ・1日の総運転時間が9時間を超えるとき

    連続運転時間= 「1回がおおむね10分以上の中断がなく、かつ中断の合計が30分以上にならない範囲で続けて運転した時間」

頻出ポイント/ひっかけ注意

  • 用語:「運搬」=容器入りを車両で運ぶ/「移送」=タンクローリー(移動タンク貯蔵所)。
  • 有資格者の関与:運搬は積込み・荷卸し等に有資格者が関与(運転者本人は必須ではない)。移送は当該危険物の取扱者が免状携帯の上、運転または同乗
  • 標識:運搬は指定数量以上で「危」、未満は不要。移送は常に「危」
  • 消火設備:運搬は指定数量以上で備付け(未満は不要)。移送は自動車用消火器2個以上を備え付け。
  • 1/10特例(運搬):規定の一部は指定数量の1/10以下で適用除外—“全部免除”と誤解しない。
  • 移送時の書類(備え付け):①完成検査済証 ②定期点検記録 ③譲渡・引渡しの届出書 ④品名・数量(又は倍数)の届出書。
  • 要員体制(移送の運転):連続運転時間が4時間超、又は1日の総運転時間が9時間超→運転要員2人以上が必要。
  • よくある誤解:「運搬=運転者も有資格必須」✕/「移送の消火器は1個で可」✕/「標識は数量に関係なく常時」✕(運搬は数量条件あり)。
第1章のまとめ