原子は物質を構成する最小の微粒子です。また、その原子の種類を元素といいます。
すべての原子の中心には正の電荷をもつ原子核があり、その周囲の電子殻では負の電荷を持つ電子が取り巻いています。また、原子核は、正の電荷を持つ陽子と電荷をもたない中性子からなり、すべての原子で「陽子の数=電子の数」であるため、原子全体では電気的に中性です。
原子に含まれる陽子の数は、原子の種類ごとに決まっており、この陽子の数を原子番号といいます。また、元素は簡単な記号で表され、これを元素記号といいます。
原子1個の質量は非常に微少で、取り扱う際に不便です。そこで、炭素原子を基準に取り、その原子の質量を12として他の元素の原子の質量を相対的に表したものが原子量です。
| 元素名 | 元素記号 | 原子量 |
|---|---|---|
| 水素 | H | 1 |
| 炭素 | C | 12 |
| 窒素 | N | 14 |
| 酸素 | O | 16 |
分子とは、2以上の原子から構成される物質を指します。実際、水素や酸素は大気中にあるとき、原子がそれぞれ2個結合した状態で存在しています。この場合、水素分子および酸素分子と呼びます。
分子量とは、分子の中に含まれている原子量の総和のことをいいます。分子式とは、分子を構成する原子の元素記号と数を用いて、その分子の組成を表すものです。
水素分子の分子式はH2であり、分子量は1×2=2です。酸素分子の分子式はO2であり、分子量は16×2=32です。また、水の分子式はH2Oであり、分子量は1×2+16=18です。
1モルとは、ある物質を構成する原子、あるいは分子が6.02×1023個だけ集まった量のことをいいます。すなわち、個数の単位の一つです。モルを単位として表した粒子の量を物質量といいます。
6.02×1023という数字をアボガドロ数といい、アボガドロ数に単位をつけた6.02×1023/molをアボガドロ定数といいます。
原子や分子を1個ずつ数える代わりに、6.02×1023個をひとまとめにして「1モル」と呼びます。鉛筆を1本ずつ数える代わりに、12本をひとまとめにして「1ダース」と呼ぶのと、同じ考え方です。
1モル、すなわち6.02×1023個あたりの原子や分子の質量を求めるには、単純にその原子量や分子量にgをつけるだけでよいです。例えば、窒素(N2)1モルの質量は、14×2=28より28gであり、二酸化炭素(CO2)1モルの質量は、12+16×2=44より44gとなります。
化学式は、元素記号を組み合わせて物質の構造を表す式です。いくつかの表示方法があり、代表的なものに示性式と構造式があります。
示性式は、構造式を簡単にして官能基を明示した化学式です。ここで注意しなければならないのが、分子式では構造に2つ以上の可能性が生じてしまう場合がある、という点です。
例えば、エタノールの分子式はC2H6Oですが、これを示性式にするとC2H5OHになります。これにより、ジメチルエーテル(CH3OCH3)である可能性が排除されます。また、ジエチルエーテルの示性式はC2H5OC2H5となります。
化学反応式は、化学式を用いて化学変化の内容を表した式です。反応物質の化学式(反応系)を左辺に、生成物質の化学式(生成系)を右辺に書き、矢印(→)で結びます。
化学反応式では、左辺と右辺でそれぞれの原子数が等しくなるように、化学式の前に係数を付けます。ただし、係数は最も簡単な整数比になるようにし、1は省略します。
例:水素+酸素 → 水
すべての気体は、同温・同圧において、同じ体積内に同数の分子を含むという法則があります。これをアボガドロの法則といいます。
この法則に従って、標準状態(0℃、1気圧)における1モルの気体の体積を調べると、22.4Lとなることが判明しています。
化学反応式に反応熱を書き加え、両辺を等号(=)で結んだものを熱化学方程式といいます。
反応熱とは、1モルの反応物質が化学反応に伴って発生または吸収する熱量をいいます。反応熱には必ず「+」「-」の符号がつき、「+」は発熱反応を、「-」は吸熱反応を表します。
反応熱は物質の状態によって変化するため、気体は(気)、液体は(液)、固体は(固)と付記します。
| 反応熱の種類 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 燃焼熱 | 1モルの物質が完全燃焼するときに発生する反応熱 | C(固)+O2(気)=CO2(気)+394kJ |
| 生成熱 | 化合物1モルが単体から生成するときの反応熱 | C(固)+2H2(気)=CH4(気)+75kJ |
| 中和熱 | 酸と塩基が中和して1モルの水が生成するときの反応熱 | HCl(液)+NaOH(液)=NaCl(液)+H2O(液)+56kJ |
反応熱は、反応物質と生成物質が同じであれば、反応の途中経路によらず一定です。これをヘスの法則といいます。
ヘスの法則の説明でよく取り上げられるのが、炭素CがCO2に変化する経路です。炭素Cから直接CO2に変化する経路と、炭素C→一酸化炭素CO→二酸化炭素CO2と変化する経路とでは、いずれの経路も総発熱量は同じになります。
液体中に含まれる溶質の割合を濃度といいます。
質量パーセント濃度は、溶液に含まれる溶質の質量の割合を百分率(%)で表した濃度です。
モル濃度は、溶液1L中に含まれる溶質の量を物質量で表した濃度です。
質量モル濃度は、溶媒1kg中に溶けている溶質の物質量で表した濃度です。
塩化水素分子HClでは、共有電子対が電気陰性度の大きい塩素原子Clの方に引きつけられており、塩素原子Clはわずかに負の電荷を、水素原子Hはわずかに正の電荷を帯びます。このように、共有結合している2原子間に見られる電荷の偏りを「結合の極性」といいます。
水素分子H2や塩素分子Cl2のように、極性のない分子を「無極性分子」といい、塩化水素分子HClのように、極性のある分子を「極性分子」といいます。
水分子H2Oは、分子の形が折れ線形になっているため、2つのO-H結合の極性が打ち消し合わず、分子全体としても極性のある極性分子になります。
一般に、極性物質どうし、無極性物質どうしは溶けやすい一方で、極性物質と無極性物質は溶けにくい傾向があります。
図中のδ+(デルタ・プラス)・δ-(デルタ・マイナス)は、原子が完全なイオンになるわけではなく、電気陰性度の差によって「わずかに」正または負の電荷を帯びていることを示す記号です。
「極性物質どうし、無極性物質どうしは溶けやすい」という原則は、第4類危険物の水溶性・非水溶性を理解するうえでも役立ちます。ガソリンやベンゼンなどの炭化水素は無極性分子のため水(極性分子)に溶けにくく、第4類危険物の大部分は非水溶性です。一方、メタノール・エタノールなどのアルコール類や、アセトン、酢酸は、分子内に-OHなどの極性をもつ部分があるため、少数派の水溶性危険物として扱われます。
ガソリンが水に溶けにくい理由として、正しいものはどれか。