16節:熱量と比熱

熱量

温度の異なる物体同士が接触したとき、高温体から低温体へ熱が伝わります。この伝わる熱のエネルギーを「熱量」といいます。単位はエネルギーと同じJ(ジュール)を用います。

比熱

比熱とは、ある物質1gの温度を1℃または1Kだけ高めるのに要する熱量をいいます。単位はJ/(g・K)を用います。

同じ質量の物質でも、温まりやすさは異なります。比熱はこの温まりやすさ・温まりにくさを表す指標で、比熱の大きな物体ほど、温まりにくく冷めにくくなります。

水(15℃)の比熱は約4.19J/(g・K)であるのに対し、鉄(0℃)の比熱は約0.44J/(g・K)です。鉄は水より温まりやすく、冷めやすい性質をもちます。また、水は気体を除くと最も比熱の大きい物質です。

熱容量

熱容量とは、ある物体の温度を1℃または1Kだけ高めるのに要する熱量をいいます。物体の質量をm、比熱をcとすると、その物体の熱容量Cは次の式で表すことができます。

熱容量の公式。熱容量C(単位J/K)は、質量m(単位g)と比熱c(単位J/(g・K))の積に等しい(C=m×c)。
熱容量の公式 — 熱容量Cは、質量mと比熱cの積で求められます(C=m×c)。

熱量の計算

物体の質量をm、物体の比熱をcとすると、その物体の温度をΔt(K)上げるのに必要な熱量Qは、次の式で表すことができます。Δ(デルタ)は「変化量」を表す記号で、Δtは温度の変化量(上昇温度)を意味します。

熱量の公式。熱量Q(単位J)は、質量m(単位g)と比熱c(単位J/(g・K))と温度差Δt(単位K)の積に等しい(Q=m×c×Δt)。Δtは温度の変化量(上昇温度)を意味する。
熱量の公式 — 熱量Qは、質量m・比熱c・温度差Δtの積で求められます(Q=m×c×Δt)。

出る出るポイント

水は常温の液体の中で最も比熱が大きい物質です。比熱が大きいということは、水自身の温度を上げるために多くの熱量が必要ということでもあり、火災の際に水をかけると、水の温度が上がりきるまでの間に燃焼物から多くの熱を奪うことができます。これが、水が冷却消火に広く使われる理由です。

代表的な物質の比熱は、次のとおりです。

物質比熱〔J/(g・K)〕
水(15℃)約4.19
氷(-1℃)約2.10
アルミニウム(0℃)約0.88
鉄(0℃)約0.44
銅(0℃)約0.38
銀(0℃)約0.24

クイズ

500gの水を20℃から80℃まで加熱するのに必要な熱量は何Jか。水の比熱を4.2J/(g・K)とする。

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