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ここでは、有機化合物の特徴と無機化合物との違い、炭化水素の分類、官能基による分類(炭化水素類・アルコール類・アルデヒド・ケトン・アミン・カルボン酸・エーテル・ニトロ化合物・エステル)を解説します。
有機化合物は、炭素Cを含む化合物の総称です。炭素は4本の「腕」をもっていることから、さまざまな原子と化合物をつくることができます。
「腕」は正式には価標のことです。価標を用いて表した化学式を「構造式」といいます。窒素Nは3本、酸素Oは2本の価標を持ちます。
有機化合物に対し、無機化合物は有機化合物以外の総称です。一酸化炭素CO、二酸化炭素CO2、炭酸カルシウムCaCO3などは炭素を含みますが、無機化合物として取り扱います。
有機化合物を構成する元素は、炭素C、水素Hのほかに、酸素O、窒素N、硫黄S、塩素Cl、リンP、ハロゲンなどで、その種類は少ないです。しかし、有機化合物の種類は無機化合物に比べて非常に多くなっています。
有機化合物は、非金属元素の原子が共有結合で結びつき、分子がつくられています。結合の仕方の相違から、組成が同じであっても性質の異なる異性体が存在します。また、一般に無機化合物に比べて融点および沸点の低いものが多く、分子量が大きくなっています。
| 有機化合物 | 無機化合物 | |
|---|---|---|
| 化学結合 | 共有結合による分子 | イオン結合による塩 |
| 融点 | 一般に融点は低い。高温では分解しやすい。 | 一般に融点は高い。 |
| 水溶性 | 水に溶けにくいものが多い。有機溶剤(有機溶媒)には溶けやすい。 | 一般に水に溶けやすく、有機溶剤(有機溶媒)に溶けにくい。 |
| 電気特性 | 一般に非電解質 | 一般に電解質 |
| 燃焼 | 可燃性のものが多い。 | 不燃性のものが多い。 |
| 反応性 | 反応は遅く、完全に進行しにくい。 | 反応は速く、完全に反応するものが多い。 |
有機化合物は一般に水には溶けにくいものが多いですが、アルコール、アセトン、ジエチルエーテルなどの有機溶媒には溶けるものが多くあります。
第4類危険物(引火性液体)は、多くが有機化合物です。炭素と水素からなる有機化合物を完全燃焼させると、二酸化炭素CO2と水H2Oを生じます。また、燃焼を除くと反応速度は遅く、触媒を必要とする反応が多くみられます。
熱分解とは、有機化合物などを酸素の存在しない状態で加熱することによって起こる分解反応です。有機化合物は約300℃を超えると、複雑な構造をもつ構成分子の運動が激しくなり、分子間の結合が切れてバラバラになり始めます。
炭素と水素でできた化合物を炭化水素といいます。炭化水素は最も基本的な有機化合物であり、鎖式炭化水素と環式炭化水素に大別されます。鎖式炭化水素は分子構造が鎖状になっている炭化水素で、エチレンやプロパンが該当します。環式炭化水素は、原子が分子内で環をつくって結合している炭化水素で、ベンゼンC6H6が該当します。
鎖式炭化水素のうち、炭素原子間の結合がすべて単結合(1本の腕)であるものを飽和炭化水素といい、メタンやプロパンなどが該当します。一方、炭素原子間の結合に二重結合や三重結合を含むものを不飽和炭化水素といい、エチレンやアセチレンなどが該当します。
また、飽和炭化水素をアルカン、二重結合を1個含む不飽和炭化水素をアルケン、三重結合を1個含む不飽和炭化水素をアルキンといいます。
環式炭化水素のうち、飽和炭化水素をシクロアルカン、二重結合を1個含む不飽和炭化水素をシクロアルケンといい、これらをまとめて脂環式炭化水素といいます。また、ベンゼン環と呼ばれる独特な炭素骨格をもつ環式炭化水素を芳香族炭化水素といいます。
官能基とは、有機化合物の分子構造の中にあって、同族体に共通に含まれ、かつ同族体に共通な反応性の要因となる原子団または結合形式をいいます。例えば、メタノールCH3OHやエタノールC2H5OHなどのアルコール類にはヒドロキシ基-OHがあり、これが水溶性(親水性)を示す要因となっています。
炭素と水素のみからなる化合物の総称です。
アルコール類は、鎖式炭化水素の水素原子Hをヒドロキシ基-OHで置換した形の化合物の総称です。C-OHの炭素原子に結合している炭素原子の数で、第1級、第2級、第3級と区別します。例えば、エタノールC2H5OHは、C-OHの炭素に結合している炭素の数が1個(CH3)であることから第1級アルコールです。第2級アルコールは炭素に結合している炭素数が2個、第3級アルコールは炭素に結合している炭素数が3個のものをいいます。
メタノールCH3OHは炭素原子どうしの結合をもちませんが、酸化するとホルムアルデヒドHCHOになるため、一般に第1級アルコールに含めます。
| アルコールの級数 | 酸化生成物 |
|---|---|
| 第1級アルコール | エタノール等を過マンガン酸カリウムなどの酸化剤で酸化するとアルデヒドになり、さらに酸化するとカルボン酸になる。 |
| 第2級アルコール | 酸化するとケトンになる。 |
| 第3級アルコール | 酸化されにくい。 |
アルコール類は、分子量の小さいものは水によく混ざり刺激性の味をもつ液体ですが、分子量の大きいものは固体で水に溶けにくくなります。
炭素数の少ないアルコールを低級アルコール、炭素数が多い(6個以上)アルコールを高級アルコールといいます。低級アルコールは無色の液体であり、高級アルコールは蝋状の固体です。融点および沸点は、炭素数の少ないものほど低く、炭素数が多いものほど高くなります。
アルコールR-OHにナトリウムを加えると、水素ガスを発生します。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
アルデヒド基-CHOをもつ化合物の総称です。一般式R-CHOで表されます。酸化されるとカルボン酸になります。ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどがあります。
ケトン基-CO-に2個の炭化水素基が結合した化合物です。一般式R1-CO-R2で表されます。
アミン基-NH2に炭化水素が結合した化合物です。一般式R-NH2で表されます。アニリンC6H5-NH2などがあります。
カルボキシ基-COOHをもつ有機酸の総称です。一般式R-COOHで表されます。アルデヒドが酸化するとカルボン酸になります。酢酸などがあります。
酸素原子に2個の炭化水素基が結合した形の有機化合物の総称です。一般式R1-O-R2で表されます。ジエチルエーテルなどがあります。
ジエチルエーテルは水に溶けにくいですが、油脂など多くの有機物をよく溶かすため、有機溶媒として広く使われています。
ジエチルエーテルは酸を触媒としてエタノールの脱水縮合で合成されます。
ニトロ基-NO2が炭素原子に直接結合している有機化合物の総称です。ニトロベンゼン、トリニトロトルエンC6H2(NO2)3CH3などがあります。
カルボン酸(ギ酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸などが該当)とアルコールとが反応により結合して生成する化合物をエステルといいます。酢酸エチルなどがあります。一般式はR1-COO-R2で表されます。
エステルを生成する反応をエステル化といい、エステル中の-COO-をエステル結合といいます。
R1-COOH + R2-OH → R1-COO-R2 + H2O
エステルは親水性の-OHや-COOHが失われているため、水に溶けにくく、有機溶媒に溶けやすくなっています。
エステルに水を加えて長時間加熱すると、加水分解されてカルボン酸とアルコールを生じます。この反応をエステルの加水分解といいます。このとき、少量の硫酸や塩酸を加えておくと、H+が触媒としてはたらき、反応が速くなります。
炭素数が4のアルカンはどれか。