19節:物理変化と化学変化

物理変化

物理変化は、化学組成の変化なしに起こる変化をいいます。すなわち、物質の状態や形が変わるだけの変化です。原油の分留(混合物を蒸留して分けること)は、物理変化を利用したものです。

具体的には、固体・液体・気体の三態変化や、潮解(固体が空気中の水分を吸収して溶解する現象)、風解(結晶性の物質や水和物が空気中で粉末状になったり、水分が失われる現象)などの変化をいいます。

物理変化の例

  1. ニクロム線に電気を通じると発熱する。
  2. 氷が溶けて水になる。
  3. 食塩水を煮詰めると食塩の結晶が析出する。
  4. ドライアイスが気体になる。

化学変化

化学変化は、物質を構成する原子の結合の組み替えが伴う変化をいいます。すなわち、2種類以上の物質から、性質が異なる物質になる変化です。

具体的には、酸化・中和・燃焼・分解などの変化をいいます。

化学変化の例

  1. 木炭が燃えると灰になる。
  2. 鉄が錆びるとボロボロになる。
  3. 水に電気を通すと、分解して酸素と水素になる。
  4. 紙が濃硫酸に触れると黒くなる。

紙が濃硫酸に触れると黒くなる理由

紙の原料である植物繊維は、セルロース((C6H10O5)n)が主成分です。一方、濃度90%以上の濃硫酸は、強力な酸化力と脱水作用があります。セルロースから水分(H2O)を取り除くと炭素(C)が残り、これが黒く変色する原因となります。

化合

化合とは、2種類以上の物質が化学的に結合して、別の物質ができることをいいます。また、化合の結果、新たにできる物質を化合物といいます。

ひっかけ注意!

「化合」と「混合」を混同しないよう注意してください。化合は2種類以上の物質が化学反応を起こして別の物質(化合物)になる変化で、化学式で表すことができます。一方、混合は2種類以上の物質が化学変化を起こさず単純に混ざり合っているだけの状態(混合物)で、化学式では表せません。混合物は、元の物質がそれぞれの性質を保ったままなので、蒸留やろ過などの物理的な方法で元の物質に分けることができますが、化合物は化学反応を起こさない限り、元の物質に分けることはできません。

区分化合物混合物
できかた化学反応を起こして生成化学変化を伴わず混ざる
化学式表すことができる表すことができない
元の物質への分離化学反応なしには分けられない物理的な方法(蒸留・ろ過等)で分けられる
具体例食塩(NaCl)、水(H2O)空気、海水、原油

物理変化と化学変化の見分け方

物理変化と化学変化は、「変化の前後で別の物質になっているかどうか」で見分けることができます。

区分物理変化化学変化
物質の種類変化しない(同じ物質のまま)別の物質に変化する
化学式変化前後で同じ変化前後で異なる
該当する変化状態変化、潮解、風解、分留、溶解 など酸化、中和、燃焼、分解、化合 など

分解のもう一つの例

炭酸水素ナトリウム(重曹)を加熱すると、炭酸ナトリウム・水・二酸化炭素の3種類の物質に分かれます。これも「分解」による化学変化の一例です。

クイズ

次のうち、化学変化に該当するものはどれか。

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