18節:熱膨張

線膨張と体膨張

熱膨張は、物体の体積が温度の上昇に伴って増大する現象です。増加する体積は、次の式で表すことができます。

増加する体積の公式。増加する体積は、元の体積に、上昇した温度と元の温度の差、および体膨張率を掛けたものに等しい。
増加する体積の公式 — 元の体積・温度差・体膨張率の積で求められます。

熱膨張には、棒状の物質の長さが増加する「線膨張」と、縦・横・奥行きの体積が増加する「体膨張」とがあります。

気体と液体の熱膨張は「体膨張」のみを、固体の熱膨張は「線膨張」と「体膨張」で考えます。また、固体と液体の膨張率は物質によって異なりますが、気体の膨張率はどの物質でも同じです。

線膨張率

線膨張率は、物体の温度を1℃上げたときの長さの増加量と、元の長さとの比です。たとえば、長さ10mmの物体が1℃上昇することで長さが10.1mmになった場合、線膨張率は0.01となります。

線膨張率のイメージ図。常温で10mmの棒が1℃上昇すると10.1mmになり、増加分0.1mmが赤色で強調されている。線膨張率は増加した長さ0.1mmを元の長さ10mmで割った0.01として計算される。
線膨張率のイメージ — 線膨張率は、増加した長さを元の長さで割って求めます。

体膨張率

体膨張率は、物体の温度を1℃上げたときの体積の増加量と、元の体積との比です。たとえば一辺10mmの立方体が1℃上昇することで、一辺がそれぞれ10.1mmになったと仮定すると、体積は1000mm³から約1030.3mm³に増加します。この場合、体膨張率は0.0303となります。なお、同一の物体における体膨張率は、一般に線膨張率の約3倍とみなすことができます。

体膨張率のイメージ図。常温で一辺10mmの立方体(体積1000mm³)が1℃上昇すると一辺10.1mmになり、体積は約1030.3mm³に増加する。体膨張率は増加した体積30.3mm³を元の体積1000mm³で割った約0.0303として計算される。同一の物体では、体膨張率は線膨張率の約3倍とみなせることも示す。
体膨張率のイメージ — 体膨張率は、増加した体積を元の体積で割って求めます。同一の物体では、線膨張率の約3倍とみなせます。

クイズ

線膨張率が0.008の金属棒(元の長さ50cm)を10℃上昇させると、増加する長さは何cmか。

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