第4石油類

第4石油類とは、1気圧において20℃で液状であり、かつ、引火点が200℃以上250℃未満のものをいう。

潤滑油(ギヤー油、シリンダー油、切削油など)可塑剤(リン酸トリクレジル〈TCP〉、フタル酸ジオクチル〈DEHP/DOP〉など)の2つに大きく分類できる。また、潤滑油は一般に第4石油類に該当するものが多い。

第4石油類の特徴
第4石油類の特徴と性質
① 非水溶性で、粘度が高く、比重が1より小さい(水より軽い)ものが多い。
※リン酸トリクレジルの比重は約1.17で、1より大きい。
② 引火点が高いため、一般に、加熱しない限り引火の危険性は相対的に小さい。
③ 燃焼温度が高く、火災時には温度が非常に高くなる。このため、水系の消火剤を使用すると水分が沸騰蒸発し、消火が困難になる。また、棒状での注水は、高温となった油を周囲に飛び散らせてしまう危険がある。
霧状にしたもの、布に染み込んだものなどは、空気との接触面積が大きくなるため、引火しやすくなる。
⑤ 揮発性がほとんどないため、蒸発しにくい

試験で狙われるポイント

第4石油類の試験ポイント
定義の境界:引火点は200℃以上250℃未満(250℃以上は「指定可燃物(可燃性液体類)」)
指定数量:6,000 L
例外の覚え方:TCP(リン酸トリクレジル)は比重約1.17で水より重い(多くは1未満)
代表例:DOP(DEHP)引火点 約206℃ → 第4石油類の代表可塑剤
消火:泡・粉末・CO₂が有効。棒状注水は厳禁(霧状水で冷却)。

比較メモ:第4石油類は引火点200~250℃。
250℃以上は「指定可燃物(可燃性液体類)」で、分類・規制が異なる。

クイズ

潤滑油ではないものは次のうちどれか。

次は第3章12節:動植物油類の性状に進みます。

動植物油類の性状